第五章 Over World
少しは私のこと、頼ってよね
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は大雨に打たれたかのようにずぶ濡れの蒔風が、映司に小声でそれを伝える。
それを聞き、映司の目が見開かれ「そうか!」とポケットからある物を取り出した。
「頼みますよ・・・ッ・・・ぁ・・・ハァ・・・・フゥグッ・・・!?」
映司のそれに期待を込め、蒔風が短く言葉を発する。
すでに内部温度は人間の限界を越えつつあり、蒔風も膝が折れはじめていた。
吐き出す息は、上昇して鼻を熱し
吸い込む空気も喉を焼く。
意識がだんだんと薄れてくる中、映司がそれを渾身の力で投げ放った。
ポッ、とバリアの膜を抜け、二つに割れたそれは、キュゥべえが展開っせている二つの内、白い光の方に向かって飛んで行った。
今の映司ではそこまで届くはずはないのだが―――――
途中から吸い込まれるように、その二つに割れた赤いタカのメダルは白いエネルギーの中に入り込んでいった。
瞬間
ボシュゥ!!!
ジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラ――――――!!!
キンカンキィン・・・・と、無数のセルメダルがぶつかり合い、甲高い音を鳴り響かせていく。
二つあるうちの真っ白なエネルギーが、次々にセルメダルへと変換されていっていたのだ。
ざらざらと大地を埋め尽くすセルメダルとは反比例して、白の球体は勢いと大きさを失っていく。
「な・・・んだって・・・・!?」
「よ・・・し・・・・!!」
「はぁ、はぁ、はぁ・・・これは!!」
それと同時に、その場の熱も下がっていく。
残っているのは、真っ黒に染まっているエネルギー体のみ。
元のエネルギー体の大きさが嘘だったかのように、セルメダルは圧縮されていく。
その中央に浮かぶのは、割れてしまったコアメダル。
だがそのメダルがガチィッ!と引っ付き、接合部のヒビがパキパキと修復されてなくなっていく。
そしてそれがピィン、と完全に修復されると高速回転し、セルメダルの塊は突如として炎を上げて燃え上がった。
一気に降下し、キュゥべえのすぐ脇を通過し、その小さな体を瓦礫の上から落とす。
その身体は向こうに落ちたようで、蒔風達の視界から消えた。
そして、その炎は映司と蒔風の前に降り立ち、包んでいたのがそれであったかのように―――――
バサァッ!!!
「映司。やっぱお前は使える奴だ」
真紅の翼を広げ、燃えるような欲望を携えた、鳥類の王たる存在が、ついにこの場にて復活した。
「アンクゥ!!!」
「だッ!?っルッセェ!!いきなり耳元で騒ぐんじゃねぇ、このバカ!!」
「コ
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