第五章 Over World
あなたはうまくいくかしら?
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あると言えば―――
いくつかの柱
この階を仕切る為の、正面に見えるコンクリートの壁
所々に積まれたように置かれた瓦礫と
この状況に不似合いな、大きなソファが一つだけあった。
ソファの色は茶色。
応接室なんかにあるような、三人掛けのふかふかしていそうなものだ。
だが、この状況の中にあったのだから、当然きれいなままではない。
くたびれた感じの革
破れて中の見えたクッション
それはほむらの正面にある。
振り返れば、その向こうワルプルギスの夜が見える。
壁の位置は、おそらくビルの中心。
そこに積まれた瓦礫の上に、まるで王座のようにソファは置かれている。
そして、その上に
「ようこそおいでませです。待っていたのですよ。にぱー」
「子供・・・・?」
古手梨花が、ちょこんと座ってにこっ、と笑いかけてきた。
「これは・・・・なんの冗談なのかしら?」
そう言って、頭を抱えるほむら。
目の前の少女は、とてもじゃないが蒔風の言っているような結果をもたらしてくれる存在には見えないし、思えない。
王座のよう、と形容したソファだが、そこに座る梨花はどう見ても年相応の少女だ。
まるで「僕王様だーい」と、いたずらで座ってしまった子供のよう。
そこでふと、ほむらはその印象の違和感に気づく。
(子どもの・・・「よう」?・・・・)
「クスッ・・・まさか私以外にも、時を遡る子がいたなんてね」
「ッ!?」
突如として
変わる口調
変化する気性
変貌する空気
目の前の少女が、その年齢とは思えない表情をする。
ちょこんと揃えていた体勢も、脚を組み、面白そうに問いかけた。
「あなたも運命とやらに捉われ、そこから脱却を図ろうとしているのかしら?」
「・・・・・」
訳が分からない目の前の展開に、ほむらの頭は混乱気味だ。
だが、それすらも楽しいと言わんばかりに、目の前の少女はクスクスと笑う。
「クスクス・・・そんな調子じゃ、運命は打ち破れないわよ?大丈夫?」
「ッ・・・・本当に・・・できるというの?」
「・・・・・・」
「本当にあなたが、私たちの運命を打ち破れるというの!?」
「疑問を持った時点であなたの負けよ」
ドンッ、と
静かな口調なのに、胸をハンマーで殴られた気がした。
「確かに、私は奇跡の起こし方を知っているわ。その上で、あなたに言えることはただ一つよ」
「・・・・・なに?」
「私はただの案内役。彼も言っていたでしょう?忘れたのかしら」
ほむらが記憶を掘り
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