第五章 Over World
答えを出すのはお前じゃないよ
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願ったのは「まどかとの出会いをやり直したい」だった。
だが何度繰り返しても、ワルプルギスの夜が倒せない。
大切な親友――――まどかを救うことができないのだ。
それどころか、回数を経るごとにさらに酷くなっていく様な気すらする。
そして、その幾つもの時間軸で確かに見たことがある。
「魔法少女になったまどかは、確かに一撃であれを倒したわ・・・でも、それと同時に魔力を使い果たし、魔女へと変わってしまう――――!!」
「そうだね。あれを一撃となると、それはもうとてつもない力さ。そしてそれは、本当に君のおかげだ。君が繰り返したおかげでね」
「私が・・・・繰り返したから!?」
驚愕するほむら。
だが、翼刀にはそれらの説明でなんとなくわかっていた。
「ほむらちゃんの繰り返しの基点がまどかちゃん・・・つまり、幾つもの時間軸の因果が、まどかちゃんに偏っている・・・?」
「その通りさ。だから暁美ほむら。君が諦めずにここまで頑張ったおかげで、彼女は最高の魔法少女たりうる存在になったのさ!」
「そん・・・・な・・・・」
自分のせいで、まどかが巻き込まれていく。
このまま続けても、まどかはさらに因果に巻き込まれていく。
そんなもの、どうやって救えと言うのだ。
まどかとの約束が、脳内で反芻される。
《キュゥべえに騙される前のバカな私を・・・助けてあげて・・・・》
「ぅ・・・ゥゥウウウうううぅうゥゥゥゥウうううッッ!!!」
倒れ込み、涙し、咽び泣くほむら。
そして手の甲のソウルジェムが、じんわりと黒に染まっていく。
「テメェ・・・・なんで今そんなことを言う!!」
「昨日も隠し事はやめようと言ったじゃないか。だからさ」
「それでほむらちゃんを魔女にするつもりか!!!」
「そうして絶望するかは彼女次第さ。それでもがんばろうと希望を振り絞るのか、絶望するのかは彼女が決めることだよ」
「この外道・・・!!」
「そんなことより、いいのかい?ワルプルギスの夜が、街を進んでいくよ?」
キュゥべえの言葉に、二人の会話を聞いていた映司がハッとして振り返る。
ワルプルギスはなおも進行し、このままでは見滝原市を蹂躙しきり、さらに市外へと出てしまう。
「ほら、早くしないと。君たちはあれを止めるんだろう?」
明らかな挑発。
本人にその意思はないのかもしれないが、こいつはわかって言っている。
しかも、感情の内容な声で淡々と言ってくるのがさらに頭にくる。
「う・・・グッ・・・・」
「ほむらちゃん!!」
キュゥべえを睨み付ける翼刀だが、胸を抑えるほむらに寄りヴァルクヴェインを当てる。
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