第12話 悪の枢軸
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グリューネワルト伯爵夫人とリッテンハイム侯爵の密約の過去話です。
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第12話 悪の枢軸
帝国暦480年12月
■オーディン ノイエ・サンスーシ グリューネワルト伯爵邸
今日も相変わらずの悪女グリューネワルト伯爵夫人が有る人物の訪問を受けていた、
いや実際には訪問するように色々と工作を行い訪問を頼んだのであるが、
来た人物が、宮廷医師であったので部外者からはそう見えたのである。
「よくお越しくださいましたわ」
「このような格好をさせて、儂と話があるとはいったい何なのだ?」
「まあ、慌てずに侯爵にも非常によいお話ですわよ」
「伯爵夫人が良い話とはげせんな」
侯爵が怪訝な顔で伯爵夫人を怪しげに見る、
元々侯爵と伯爵夫人は皇帝後継者に対してのライバルなのに話があるというのである。しかも態々宮廷医師に変装してまで話し合いをするというのである。
伯爵夫人がズバリと切り込む。
「侯爵は次期皇帝陛下の父親になる気はございませんかしら?」
「はぁ?」
この女は何を言っているんだ?次期皇帝はルードヴィヒ皇太子であろうに、
次期次期皇帝であれば可能性はあるが、しかし皇太子は病弱であるから継げぬまま終わるやも知れない。
しかし、この女は自ら皇子を生んでそれを帝位に就けると公言している、
ザビーネが皇帝になる為には、邪魔な存在だが何を考えているのだ。
「ザビーネを皇帝にと言うのかね、冗談はよしてくれ」
「あら、侯爵がよく言ってらっしゃるじゃ無いですか、ザビーネを皇帝にと」
この女何処まで知っているんだ。
「酒の上での戯れ言よ」
「まあ、そうしておきましょうかしら」
「ザビーネさんの事ですが、我が兄レオンハルトと婚姻して頂けないかしら」
何を言うのだこの女は!
「何故ザビーネが其方の兄と婚姻しなければならんのだ!もう失礼する!」
「まあ侯爵、短気は損気ですわよ、話をもう少しお聞きになっても宜しいのでは」
無礼であろう,高々帝国騎士の小娘が増長しおって!
「もう話すことなどない」
「ですから、侯爵に次期皇帝の父親になって貰いたいのですよ」
「話が矛盾するではないか、伯爵夫人がご自分の生む子に帝位を望んでいるのは知って居るが、我が子ザビーネを帝位に就けるようでは話が合わん!」
伯爵夫人がニヤニヤと薄ら笑いをしている。
「矛盾しませんわ、私は侯爵に次期皇帝の父親に成って欲しいと言っているので、
ザビーネさんが皇帝になるとは言っていませんわよ」
「ザビーネが皇帝に成らないとはなんだ?」
「ふっ侯爵、判りませんかしら」
伯爵夫人がシナを作って侯爵にしなだりついてくる。
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