妖精の国
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──まさか……!?
私は半信半疑で目の前の少女に聞いた。
「ユイ…ちゃん…?」
「……はい、ママ。」
名前を呼ばれた少女、ユイが涙を浮かべながら微笑む。
「パパは何処にいるんですか…?」
ユイちゃんは聞いていいのか躊躇いながら聞いてくる。
「パパはね…少し遠いところにいるの…」
何か察したのかユイちゃんは黙ってしまった。
私は慌ててユイちゃんに話しかける。
「で、でもね!今からパパを探すからユイちゃんも手伝ってくれる…?」
そう言うとぱぁーっと明るくなり元気よく返事をしてくれた。
「はい!"パパからのお願い"でもあるので、私に出来ることは何でもしますママ!」
「"パパからのお願い"?」
ユイちゃんは「しまった…!」と言うかのように手で口元を隠す。
「ユイちゃん、パパからのお願いって?」
「え、えっと……パパには内緒ですよ!」
──ふふ、パパよりもママの私の方が娘のユイちゃんにとっては上みたいね。
少し嬉しくなったアスナは近くのベンチにユイちゃんと一緒に座った。
「パパに言われたんです、『もし、パパが近くにいない時にママに会ったら助けてあげて。』って。」
──蒼くん……まさか、この状況になる事を…?
いや、その可能性は低い。
そもそも彼が『暗殺術』が身についた事自体が彼にも予想外だったはず。
「それに、パパはこんな事も言ってました。」
「ん?」
「『何か嫌な予感がする…もし、俺が皆に剣を向けた時は…』って、あ!」
ユイちゃんはいきなり何かを思い出したかのように立ち上がり、私を見てハッキリと言った。
「『俺を殺してくれって伝えてくれ…』って、パパは辛そうに言ってた事を思い出しました…」
「……っ!?」
自らの父親が目の前でそんな事を言ったら辛いはずなのに、まるで伝える事が使命だと言うかのようにユイちゃんは私の目をみて訴えてくる。
『パパを助けて欲しい』と。
私はユイちゃんに手を伸ばし、そっと抱き締めた。
「大丈夫、必ずパパは私が助けるから。」
ユイちゃんは小さく頷きながら泣き始めた。
──君にもう一度会いたい。
可能性が1%もあるのなら、私は何でもする。
例え、悪魔に魂を売ることになっても……
そんな2人の近くを黒色の妖精と緑の妖精、ピンクの髪の毛をした妖精と赤色の妖精、そしてリアルに似たような人が居たな…と感じる妖精がいた。
「あ、あの……」
私は咄嗟に話しかけられた事に驚きながらも、視線を前に向ける。
「はい…?」
「アスナであってるか…?」
「……もしかして、キリトくん…?」
この瞬間、私達の戦いは
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