妖精の国
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─Welcome to ALO─
アナウンスが聞こえ、視界に移ったのは真っ白な場所。
ここで初期設定をし、アバターを決めていく。
私はホロウキーボードを操作していくつかのアバターを見ていく。
──ウンディーネ……うん、これね。
私は水色が特徴的な妖精ウンディーネを選択する。
《アバターネームを打ち込んでください。》
私は『Asuna』と打とうとしたが一瞬迷った。
もし、須郷さんがここに居るなら名前を見ただけで分かって排除してくるかもしれない。
でも彼にすぐに気付いてもらうには……と思い、私は『Asuna』と打ち込んで確認する。
《こちらの名前で設定して良いですか?》
私は『Yes』のボタンをタップする。
すると、アバターネームが被っていなかったのか次の操作に移った。
《初期設定は終了しました、ALOをお楽しみください。》
私の視界は、光に包まれた。
『アスナ。』
『……ん…?』
誰かに名前を呼ばれてる気がして私は目を開けた。
『アスナ、俺だよ。』
『あ……お……くん?』
私の目の前に現れた彼。
『うん。』
『あ、蒼くん……生きてるの…?』
『…………。』
『……蒼くん?』
私から離れる彼を私は追いかける。
『速くここから離れるんだ、君はここに来ちゃいけない。』
『何で…!私は君を助けられるかもしれないって…!』
『アイツが動き出してる。』
そう言った彼は見た目も全て変わっていた。
赤と黒のアッシュの髪の毛に、眼も髪と同じ色へと変わっている彼。
『あ、蒼くん……その姿は……?』
『もう俺は守ってあげられない、アイツが気づく前に止めるんだ。』
『アイツって……誰なの…?』
『この世界の王様だよ。』
『待って、私の話を……!』
追いかけても追いかけても追いつかない。
彼はどんどん遠ざかっていく。
『キリト達と一緒に逃げろ。』
『駄目、蒼くん!』
『詩乃……を………頼む……明日…奈……。』
その言葉を最後に彼は消え、私は意識が消えた。
「ん……?」
先程まで蒼くんが目の前にいたのに、今映っているのは街並みの風景。
「ここは……「ALOの中ですよ、ママ。」え?」
私は隣から聞こえた声に驚き隣に視線を向ける。
そこには真っ白の服を着て、綺麗な焦げ茶の髪の毛の少女がいた。
「貴方は……?」
「ママ、私の事パパから聞いてませんか…?」
「パパ…?」
私はある日に言われた彼の言葉を思い出した。
『アスナ、ユイを頼む。』
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