暁 〜小説投稿サイト〜
翠碧色の虹
第四幕:自然な虹の輝き
[5/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
の写真集のはっきりとしたコントラストの虹の一つ外側にもう一つの虹が写っていた。その外側の虹は「副虹(ふくにじ)」と言うらしい。俺の撮影した虹のコントラストはまさに「副虹レベル」だ。その写真集の他の虹の写真にも目を凝らしてみると、いくつかの写真で副虹か確認できた。

時崎「意識しないと、見えない虹もあるのか・・・」

さっき見た時は、全く副虹の存在に気付かなかった写真もいくつかあったが、意識して見てみると、見えていなかった虹・・・副虹が浮かび上がってきた。俺は思った・・・機会があれば、この副虹も撮影してみ・・・っ

七夏「柚樹さん。柚樹さん!!」

気が付くと、隣に七夏ちゃんが居た。

時崎「あ、ごめん。七夏ちゃん」
七夏「くすっ☆ とても夢中になってたみたいですね」

そう言われて妙に恥ずかしいが、否定は出来ない。結構な時間、その写真集に噛り付いていた事は確かだ。

七夏「私も、夢中になったりする事がありますので」

七夏ちゃんは、本に夢中になっていた俺の姿を見て、自分と同じ心境である事を、すぐに理解してくれた。

時崎「ありがとう。七夏ちゃん。用事は済んだ?」
七夏「はい♪ お待たせしました」

実際に待たせたのは俺の方だ。七夏ちゃんは、購入した小説を手に持っており、とてもご機嫌な様子に安心する。

時崎「じゃあ、後の用事も済ませよう」
七夏「はい☆」

後は、凪咲さんに頼まれたお買い物があるようだ。その中でも「お醤油が3本、お酢が2本」と言うのは、民宿ならではだと思ってしまう。

時崎「お醤油が3本とか凄いね。俺なんて、お醤油1本あれば1年くらい持ちそうだけど」
七夏「そうですね。でも、砂糖醤油で煮込んだりするお料理だと、結構お醤油が必要になりますので」
時崎「なるほど」

俺は、七夏ちゃんのお買い物で、お醤油とお酢の入った袋を手に持つ。

七夏「あ、えっと、ありがとう・・・ございます」

お礼を言われるほどの事ではない。

時崎「他に買い物や用事はある?」
七夏「いえ。これでお買い物はおしまいですので、私はお家に戻りますけど、柚樹さんはどうされますか?」
時崎「俺も戻るよ。お醤油とか持ってるから」

冷静に考えると、重たいものは最後に買うだろうから、七夏ちゃんに聞くまでも無かったな・・・。

七夏「ありがとうございます!」

俺と七夏ちゃんは、七夏ちゃんの家(民宿風水)へ戻る。七夏ちゃんは、いつも自然に振舞ってくれている。一方、俺はこの帰り道の中でも、常に話題を考えながら受け答えをしている・・・自然に、自然に・・・と、思えば思うほど、不自然な話し方になっている気がする。
意識を他の所に持ってゆくと、二人の長くなった影法師が、夕暮れ時を伝えてくれているように思
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ