幽鬼の支配者
襲われた妖精
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『悔しいけど、やられちゃった…』
緊急連絡用ラクリマから連絡があった時、ミラが見せた悔しそうな表情。
何があったのかを聞いた俺は取り掛かっていた仕事を早急に終わらせ、ギルドに向かって走っていた。
だが、俺が仕事できていた街はギルドのあるマグノリアに着くのに約半日はかかってしまう。
──遂に動き出したか……ファントムの奴ら。
以前、マスターの息子であるイワンが妖精の尻尾の"何か"を狙っている可能性があるとはマスターから聞いていた。
『戦争をしなければならんかもしれんのぉ…』
俺とエルザ、ギルダーツ、ミストガンなどS級魔導士が急遽集められマスターから言われた言葉。
正直、俺は相手が闇ギルドでも争いは避けたかった。
争いをしても何も残らない。
残るのは味方が傷つく事か、それか………
「……っ、考えても仕方がないか…!」
俺は魔法を使って風を操作し、更に加速させた。
「……何だよ、これ…。」
俺が着いた頃のギルドは、一言言うと酷かった。
鉄の杭が何本もギルドに刺さり、ギルドマークは地面に落ちていた。
俺は地下に繋がる通路を見つけて奥に進む。
「マスター……。」
「おー、アルマか。」
中ではナツが「許さねぇ!」と怒鳴り散らし、そのナツを宥めるエルザとルーシィ。
グレイは静かに椅子に座って顔伏せ、ミラはいつものようにカウンター前にいる。
マスターも平然とカウンターの席に座っていた。
「………ファントムですか?」
「そうよ、怪我人が居なかったのが不幸中の幸いだったわ…」
マスターの代わりに、ミラが反応する。
「怪我人が居なかったと言うことは夜って事か…」
「ギルドが治るまではここで仕事を受注するように!」
マスターはそう言ってから、全員に危ないから何人かで固まって夜を過ごすようにと付け加え解散した。
俺達はエルザの指示で、ルーシィの家でナツとグレイ、エルザ、ハッピー、俺で集まることになった。
──何かしらの手土産は無いと不味いよな。
俺はギルドで解散後、ケーキ屋さんに向かっていた。
ケーキを選び、箱に入れて貰って外に出るともう夜だった。
ケーキ屋さんはルーシィの家から少し遠いため、時間厳守のエルザに怒られないためにも俺の足は自然に早歩きになる。
──……殺気…?
後ろからの殺気に気付いた俺は即座に振り向く。
すると。
「……その手に持っているのは誰だ。」
「あぁ?」
「その手で首を絞めている相手は誰だと言っているんだ。」
ギヒッと笑いながら俺の目の前にいる奴は、右手で首を絞めていた人以外を俺の足元に蹴り飛ば
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