0126話『お盆の日、会いに来た艦娘達』
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っと、届くはずです》
それで榛名は透明な姿で提督の前に現れて、
《提督……》
「ん? どうした榛名……?」
《はい。沈んでしまった彼女達の声を提督に届けたいと思いまして……》
「え?」
提督と綾波達はハテナ顔をするけど榛名は構わず続ける。
《まずまるゆさんからです。『隊長、まるゆは隊長の事を恨んでいません!』》
「ま、待ってくれ榛名……? みんながいるのか……?」
《はい。ですから伝えますね》
「私もいるんですか……?」
《綾波さんもいますよ。伝えます。『綾波は決して司令官の事を恨んでいません。むしろまた司令官に会えてうれしいです』って言っています》
「「「………」」」
それで三人は無言で榛名の言葉を聞いていた。
提督の目尻には涙がうっすらと浮かんでいた。
《イムヤさんからです。『司令官? イムヤ達を沈めてしまった事を今でも覚えていて苦しんでいるなら気にしないでとは言わないけどあまり背負い込まないでね……?』って言っています》
「イムヤ……」
《最後に木曾さんからです。『おい、提督。俺は沈んだことは悔やんではいるけどお前の事を恨んじゃいないさ。だから代わりにこれからも誰かを沈めるのだけはやめてくれよ? こっちにいるのは俺達だけでいいからさ』って言っています》
四人の言葉を言い終えたのだろう榛名はすっきりとした表情をして、
《お盆の間だけは木曾さん達はいるそうですから、ですから提督も話しかけてあげてくださいね?》
「ああ、ああ……必ず」
それでもう提督は涙を流し続けていた。
そんな提督の背中を綾波と狭霧が宥めてあげていた。
彼女達も提督ほどではないけど涙を浮かべているのだから感情移入できたのだろう。
こんな奇跡の再会にただただ榛名も嬉しい限りだった。
そして四人は笑みを浮かべながらも提督の後ろで榛名に「ありがとう」という言葉を贈っていた。
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