0126話『お盆の日、会いに来た艦娘達』
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ふ……そうですね。綾波達もさすがに今の司令官の姿は驚きを感じています。でも……》
綾波は視線をそっと別の方へと向ける。
そこでは今の綾波がつい最近仲間になった狭霧とともに笑顔を浮かべながら一緒に歩いている姿を見て、
《そっか……。狭霧ちゃんもやっとこの鎮守府に来られたんですね。実際に会えないのが寂しいですけど嬉しいです》
《綾波さん……》
榛名はそれで綾波にどういって声をかければいいか分からなかった。
榛名は意識すればみんなに姿を見せられるけど四人はもう榛名という特例を除いて誰にも声をかけられないのだ。
それがどれだけ悔しい事か計り知れないだろう。
《あ、すみません。ついしんみりしてしまいました》
《いや、綾波は悪くないわよ。イムヤ達はまたみんなに会えるだけで幸せなんだから》
《そうです! まるゆもそう思わないと悲しくなっちゃいます!》
イムヤとまるゆが綾波を慰めている時に、今の綾波と狭霧が提督のもとへと歩いてきた。
それでつい身構えてしまう幽霊の方の綾波。
「司令官! 天霧ちゃんも仲間になるっていうんですから必ず助けましょうね!」
「お願いします! 提督! 天霧ちゃんも助けてくださいね!」
「そうだな。きっと……助けような」
それで綾波と狭霧に優しい笑顔を向ける提督。
そんな姿を見て、
《司令官……今でも頑張ってくれているんですね。嬉しいです》
綾波がそう言っている時に、
「ところで司令官……? なにか肩が重くなっていませんか?」
「またどうして……?」
「いえ、なにか榛名さんとは別に誰かが提督の肩にいるようなそんな感じがするんです」
「そ、そうか……もしかしたら今日はお盆だから沈めてしまった彼女達がいるのかもしれないな」
「そうなのでしょうか? でも懐かしい感じがしますからきっと悪いようにはならないと思います。きっと司令官の事を守ってくれているんだと思います」
「そうだと、いいな……。私は彼女達に恨まれても仕方ない事をしてしまったんだからこれくらいの重みは我慢しないとな……」
そう言って提督は少し儚い笑みを浮かべる。
《そんなことないです!》
綾波は叫んでいた。
決して恨んではいないと……!
またこうしてあえて嬉しいと!
そんな気持ちがつい爆発してしまっていたが、それでも提督には聞こえない事がこんなに辛い事だなんて……ッ!
そんな涙を流している綾波の肩に木曾が手を置き、
《無理をするな綾波。俺達はこうして現れているだけでも奇跡みたいなもんだからな》
《そうよ》
《はい……》
四人はそれで少し落ち込み気味に声のトーンを落とす。
そんな四人の姿を見かねて榛名はある事を提案した。
《でしたら皆さんの声を提督に伝えますね。き
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