第3章 リーザス陥落
第99話 トーマとユーリ
[7/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
べきはその中心で剣を振るっている男。
「……重い。……いや 重すぎる、か。そんな感じだな。これまでよりも、格段に」
信じられない。
魔法を、斬ったと言うのだ。
「……何をした」
だから、ノスは一歩前に出た。
「今、何をしたのだ!」
次第に激昂していく。
己のが持つ中でも最強と言っていい魔法を斬られたのだから。
剣を地に刺し、利き腕である右手を軽く振るった。
「ふぅ……オレもレベルがあがった、って所か。ハンティの時の雷以上に腕が痺れたが、剣は持てる……まだ 余裕だ。今だったら ハンティの雷神雷光、全弾防げるかもしれないぜ?」
ユーリはノスの問いには答えず、剣を肩に担ぎ直してハンティの方を見て僅かに笑った。
戦いの最中だと言うのに、相手から目を離すと言う愚行をしたのだ。
だが、それもユーリの作戦であると言う事は直ぐに判る。
「答えろ小僧!! 何をしたと言うのだ!!」
激高し、向かってくるノスは、暴走する獣も同然だった。先程のハンティと戦っていた時の様な余裕を持って 攻撃をさせるより遥かに読み易い。
凶悪な拳も、強大な力も 当たらなければ意味がないのだから。
ユーリは最小限の動きでその拳を躱し、ノスの背後を取る。取ったと同時に ハンティとパットンの前にいるトーマに向かって何かを投げた。
「トーマ! コイツを使え!」
取り出し、投げたのは玉の様なもの。
黄色く光を放つ光の玉。 トーマがそれを受け取り、ハンティがそれが何なのかを確認した。
「そ、それは…… 月の、かご……? ば、ばか! ゆーり、おまえが、おまえがつかうべき、だろ! なにこっちばかり……!!」
「ハンティ。今はあの男に従え。最低限でも動ける様になり、皇子を救え。それがお前の仕事だ」
有無を言わせず、トーマはその宝玉を握りつぶした。
光の粒になり、半径3m程光が降り注ぐ。淡い光は パットンの傷を癒し、そしてハンティの流れでる血も止めてのけた。竜族から受けた傷は治らない筈だが、傷がみるみる内に治っていく。
「……それだけの傷だ。例えこのアイテムを使ったところで、五体満足に動けるとは思えんが、今は皇子の命が先決。……儂が 皇子の頬を殴る為にも 皇子には無事でいて貰わなければならん」
「う、ぐ……」
パットンの苦しみが和らいでいくのがはっきりと見てわかる。
だが、トーマが言う様に、動ける程回復はしない様だった。
「コゾォォォ!!」
ノスの地を揺らす様な雄叫びが場を揺らした。
そして、その嵐の様な攻撃を掻い潜り続けるユーリもはっきりと見た。
「皇子の頬を殴る……か」
トーマは ハンティに支えられているパッ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ