暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第99話 トーマとユーリ
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べきはその中心で剣を振るっている男。

「……重い。……いや 重すぎる、か。そんな感じだな。これまでよりも、格段に」

 信じられない。
 魔法を、斬ったと言うのだ。

「……何をした」

 だから、ノスは一歩前に出た。

「今、何をしたのだ!」

 次第に激昂していく。
 己のが持つ中でも最強と言っていい魔法を斬られたのだから。
 剣を地に刺し、利き腕である右手を軽く振るった。

「ふぅ……オレもレベルがあがった、って所か。ハンティの時の雷以上に腕が痺れたが、剣は持てる……まだ 余裕だ。今だったら ハンティの雷神雷光、全弾防げるかもしれないぜ?」

 ユーリはノスの問いには答えず、剣を肩に担ぎ直してハンティの方を見て僅かに笑った。
 戦いの最中だと言うのに、相手から目を離すと言う愚行をしたのだ。

 だが、それもユーリの作戦であると言う事は直ぐに判る。

「答えろ小僧!! 何をしたと言うのだ!!」

 激高し、向かってくるノスは、暴走する獣も同然だった。先程のハンティと戦っていた時の様な余裕を持って 攻撃をさせるより遥かに読み易い。
 凶悪な拳も、強大な力も 当たらなければ意味がないのだから。

 ユーリは最小限の動きでその拳を躱し、ノスの背後を取る。取ったと同時に ハンティとパットンの前にいるトーマに向かって何かを投げた。


「トーマ! コイツを使え!」

 取り出し、投げたのは玉の様なもの。

 黄色く光を放つ光の玉。 トーマがそれを受け取り、ハンティがそれが何なのかを確認した。

「そ、それは…… 月の、かご……? ば、ばか! ゆーり、おまえが、おまえがつかうべき、だろ! なにこっちばかり……!!」
「ハンティ。今はあの男に従え。最低限でも動ける様になり、皇子を救え。それがお前の仕事だ」

 有無を言わせず、トーマはその宝玉を握りつぶした。
 光の粒になり、半径3m程光が降り注ぐ。淡い光は パットンの傷を癒し、そしてハンティの流れでる血も止めてのけた。竜族から受けた傷は治らない筈だが、傷がみるみる内に治っていく。

「……それだけの傷だ。例えこのアイテムを使ったところで、五体満足に動けるとは思えんが、今は皇子の命が先決。……儂が 皇子の頬を殴る為にも 皇子には無事でいて貰わなければならん」
「う、ぐ……」

 パットンの苦しみが和らいでいくのがはっきりと見てわかる。
 だが、トーマが言う様に、動ける程回復はしない様だった。


「コゾォォォ!!」


 ノスの地を揺らす様な雄叫びが場を揺らした。
 そして、その嵐の様な攻撃を掻い潜り続けるユーリもはっきりと見た。

「皇子の頬を殴る……か」

 トーマは ハンティに支えられているパッ
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