第1話 ハルジオンでの出会い
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「っ……ちょっと! 離しなさいよ!」
「ふん、威勢のいい小娘だ……なんだ、お前星霊魔導士だったのか?
しかし、これはいらないな……契約を結んだ主しか使えないんだ、つまり僕には必要ないってことさ」
偽の火竜はそう言い、ルーシィの腰にあった鍵を奪い取ると窓からぽいっと海へ捨ててしまう。
「あっ……(これが……こんなことをする奴が……妖精の尻尾の魔導士か!?)」
ルーシィは悔しさと怒りで涙を流す。
「っ最低の魔導士じゃない……!」
ルーシィが悔し涙を流した瞬間……
バキッーーー!!!!
船の天井を突き破り、何かが降ってきた。
「な、なにっ!?」
ルーシィは驚愕で目を見開き、落ちてきたものを見つめると……そこには桜髪のナツがいた。その姿に自然と、ルーシィは笑みを浮かべる。
「んっ!? 貴様は……昼間のガキっ!!?」
「ナツっ!!」
「……おぷ! やっぱダメだ気持ちわりぃ」
が、船に降り立った数秒後、乗り物酔いを起こし、倒れてしまう。
「えー!? かっこわる!!」
「あれー? ルーシィ? 何してるの?」
「ルーシィ……」
「えっ」
ナツの降ってきた方から聞き覚えのある声がし、見上げるとそこには白い羽を生やしたハッピーとローブを羽のように広げ、飛んでいるシロの姿があった。
「ハッピー! シロ!! 騙されたのよ、こいつに……あたしを妖精の尻尾に入れるって言われて……それで」
思い出し、再び悔しい気持ちが湧いてきたのか、拳を握るルーシィ。
そんなルーシィを見つめ、スッとルーシィの隣に降り立つシロ。
「……ルーシィ、これ」
「え……あ、これ……!」
シロがルーシィに差し出したのは先程、偽の火竜に投げ捨てられた星霊の鍵だった。
ルーシィはぱぁっと笑みを浮かべ、鍵を受け取る。
「飛んできたから……拾った、これ……ルーシィの」
「そうよ! ありがとね、シロ!!」
「……うん、ハッピー」
ルーシィからのお礼に頷き答えるとシロはハッピーに視線を送る。
「あい! じゃあ、ルーシィちょっと我慢してねー!」
「え? え……きゃぁ!?」
ハッピーはそう言うとルーシィの体に尻尾を巻き付け、再び飛び立った。
そして、シロも飛び立とうとし……一度止まり、ナツを振り返る。
「……ナツ」
「大、丈夫っだ……シロも行けよ、うぷっ」
「……うん、分かった」
ナツの言葉に頷くと今度こそ本当に飛び立ち、船を去る。
「ちょ、ちょっとハッピー!? ナツは!? それに女の子たちも……!」
ルーシィだけを抱え、脱出したハッピーに
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