第1話 ハルジオンでの出会い
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無視された男は慌ててナツたちを呼び止め、即興で書いたサインを手渡す。
それを見ていた女性達は再び黄色い声を上げる。
が……
「いらん」
ぱしっとサインを叩き落とし、いらないと断言したナツの言葉に女性達は再び怒りを露わにし、ナツをボコボコに殴り倒す。
殴り倒されるナツを置いて、ハッピーを抱き離れるシロ。
「ぐほっうぎゃっ何、だよっ!? つか、助けろよ!! シロ!」
「……頑張れ」
「薄情者ぉおおっ!!」
女性達の怒りを喰らい続けたナツは結局元凶の男が発した船上でのパーティへの招待の一声で治まり、ナツは解放された。
「いってぇ……」
「あいやー……凄かったね」
「……うん」
「つーかシロ! おま、なんで助けてくれなかったんだよ!?」
「ナツなら大丈夫だと思ったから」
ナツからあがる抗議の声にも首を少し傾げ、当たり前のようにそう返したシロ。
その表情に感情の色は見えず……、ナツはパチパチと瞬き次いではぁと、ため息をひとつつく。
「まぁいいけどよぉ……にしても一体なんだったんだ、ありゃぁ……」
「ほんと、いけ好かないわよね」
一人ブツブツと愚痴を零していたナツの言葉にシロとハッピーとは別の声、ルーシィの声が返した。
「んあ?」
「……さっきの」
ルーシィの方を向き、先ほどハリセンで叩いた相手であることに気づいたシロに苦笑を浮かべながら、ルーシィはナツとハッピーを見やい、言った。
「あたしはルーシィ、さっきはありがとね」
ルーシィの言葉に首を傾げる一人と一匹。
「……お腹空いた」
ーーーーー
シロたちはお礼をしたいというルーシィの申し立てでハルジオン港にあるレストランで料理をご馳走になっていた。
が……
ガツガツガツガツッ!!!!
ムシャムシャムシャムシャッ……
「あんふぁいいひほがぶぁ」
「……うん」
「あ……ははは、ナツとハッピーにシロ……だっけ? もう少しゆっくり食べなって……なんか飛んでるし」
ルーシィの目の前で遠慮なしにどんどん胃袋の中へと消えていく目の前の料理とぽいぽいと飛んでくる食べカスに苦笑を浮かべるルーシィ。
「はぁ……あ、それでね……さっきのあの火竜って男、魅了っていう、人々の心を引き付ける魔法を使っていたの
何年か前に発売が禁止されてるんだけど……やらしい奴よね」
食べ進めるシロたちに先程会った男の使った魔法の説明を続けるルーシィ。
その様子にシロは食事の手を止め、ルーシィを見つめる。
「……魔法、詳しい」
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