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FAIRYTAIL 心を失くした少女
第1話 ハルジオンでの出会い
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784年 ハルジオン港



「あのぉ……お客様? 大丈夫ですか?」

もうすぐ発車時刻となる列車の中で一人の少年が倒れ、呻いており駅員は困惑気味に声をかけていた。

「あいっ! いつもの事ですから!」

「ナツ……着いた、起きて」

「うぷ……ぉ、おぉ……もう二度と列車には乗らねぇ……うぷ!」


倒れる少年 “ナツ” の隣にはちょこんとしゃがみ込む白髪の少女 “シロ” と青い猫 “ハッピー” がいた。


「情報が正しければこの街にサラマンダー……イグニールがいるはずだよ!!」

列車を降り、街の様子を見渡すハッピー


「うん……」

先に降りたハッピーにならい、シロも列車を降りる。

するとーーー



シュポー!!!


背後で汽笛の音が響き……列車はハルジオン港を出てしまう。


「「あっ」」



「たぁーすぅーけぇーてぇーーーー……」



ナツを一人乗せ……



「……発車しちゃった」

「……うん」


十数分後ーーー


「うぷ……あぁ……まだ揺れてるぅ……」

「重症だね、ナツ」

「うん……」



ナツを回収し終え、目的の為街の散策を始めた二人と一匹。


「もうぜってぇ列車になんか乗らねぇぞぉ……」

「それいつも言ってる」

「もーしっかりしてよ、ナツぅ……イグニールを探すのにそんなんじゃ見つからないよ?」

「あぁ……今度こそ! ぜってぇこの街に火竜(サラマンダー)……イグニールがいるはずだ!」

ハッピーの言葉で元気を取り戻すナツは目を輝かせ、拳を握り声を上げる。


「あいっ! 火竜といったら、イグニールしかありえないよね!」

「……そう?」


自信満々なナツとハッピーの隣で首を傾げるシロ。だが、何も言うことはなくただナツの横を歩いていく。



しばらくすると、少し離れたところから多くの女性の歓声が聞こえ始める。

「きゃー! 火竜様よぉ!!」

「こっち向いてー! 火竜様ぁ!」


「ほらっ! 噂をしたらなんとやらだ!!」

「あいっ!!」


聞こえてくるその声にナツとハッピーは駆け出し、集団の中へと割り込み、入っていく。

その後ろで一人、ぽつんとおいてけぼりを食らったシロは……


「……多分、違うと思う……けど」

無表情でそう呟き、姿の見えなくなったナツとハッピーが戻ってくるのを待つことにし、その場に座り込む。

「……ん」


ふと、視線を逸らした先に映った一人の少女……

シロはじーっとその少女を見つめると、何気なく、立ち上がり……足を進めた。



数分前ーー
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