今、出来る事
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言え。全ては結果なのだ」
穢土転生された侍の姿が袖から巻物を取り出し、開く。現れたのは一振りの直刀。木で作られた柄と鞘。そして、抜かれて現る黒の刀身。夜桜だとハルマは一瞬で理解した
「やれ」
侍がアサヒの前に現れ、刀を振り下ろす。間一髪、ハルマが間に入ってクナイで防ぎ、カナが八卦空掌を放つ。躱されたが、わざとそうさせたのだから落胆はしていない
「にい・・・・・・さま・・・・・・」
「姫。少し下がっていろ・・・・聞いてるのか?姫!」
むしろ、カナにとって気掛かりなのは呆然として床にヘタリ込んでしまったアサヒだ。目は虚ろで焦点が合っていない。ハルマの呼びかけさえも聞こえていないようだった
「無駄だ!並の人間なら、親しい者に剣を向けられたら堪える??光の国を滅ぼすついでに火の国の姫も殺してやるよ!」
「ちっ・・・・くそっ」
「(水遁・水龍弾の術!)」
ハルマが印を結び、チャクラを水に変換して口から放つ。それは龍を模り、ダイゴ達に迫るが侍が印を結び、口から吐いた土が壁を形作る
「(土遁・土流壁! )」
水龍弾の術が土流壁に当たるが、砕ける事なく防がれてしまう
「土の性質変化か・・・・」
二対二という状況ではあるが、アサヒを庇いながらの戦いはキツい。もう少し距離が取れれば、状況はマシになるが、戦いの舞台は砦の中。自由に戦うには狭すぎた。しかし、任務は果たさなくてはならない。その為に最善を尽くす。任務に最善を尽くすのは忍の基本。それを今、ハルマは実践しようとしていた
「影分身の術!カナ。お前は穢土転生の奴を頼む!」
両手の人差し指と中指を十字に交差し、影分身を一体作り出す。影分身がダイゴと競り合う。カナは白眼を発動し、侍と対峙。そして、ハルマの本体はアサヒの方を見ていた
「分かったわ??」
「姫!聞いているのか?姫??・・・・・・アサヒ??」
反応がなかったアサヒは自身の名前を呼ばれて初めてハルマの方を向く
「大切な人に剣を向けられて心を乱すのは分かる。だが、あんたは覚悟を決めた筈だ。夜桜を取り戻す覚悟を。なのに、このまま死んでいいのか?あんたの覚悟は偽物なのか?」
あくまで諭すように優しく問い掛けるハルマの問いにアサヒは首を横に振る
「・・・・いいえ。違います」
ハルマをアサヒが見つめた時、彼女の目には力が戻っていた
「なら、下がって見てろ。しっかり見届けろ。それが戦う術を持たない姫。あんたに出来る事だ」
「はい。夜桜を・・・・お願いします」
「ああ。任せろ」
ハルマが柔らかく笑いかけ、ダイゴに向き直る。影分身は倒されてしまったようでもういない
「俺にこの眼がある限り倒す事は出来ない」
「お前は
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