蒼雷の恋慕 04
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勢い良く振り下ろされた包丁がまな板にぶつかった。
……危なかった。下手したら指がばっさり切れとったで。ふぅ……危ない危ない。
なんて考えてる自分も居るけど、思考の大半は唐突に爆弾発言をしてきたレヴィのことでいっぱいだ。
い、今レヴィ何て言うた? 私の聞き間違いでなければ私に好きな人おるよねって聞いてきた気がするんやけど。しかもほぼ断定というか居ること前提で。
私の記憶が正しければレヴィはそういうことになのはちゃん以上に疎いはず。そもそも好きの違いも分かってないお子ちゃまのはずや。それなのに何でこのタイミングでこういう展開になるんや? シュテルとかの差し金やったりするやろか……
「はやてん?」
「――っ、大丈夫。大丈夫ちゃんと聞いてるで。私に……す、好きな人が居るかって話やろ」
「違うよ。好きじゃなくて特別に好きな人」
それが一般的に思春期を迎えた後の年代の好きな人なんや!
まあレヴィはそのへんが分かってないのは分かっとるやけど。そもそも分かってるならこんな質問してこんどころか、これまでの言動も別人になっとる気がするし。
「はやてんには居るよね?」
「え、えっと、その……」
確かにいる。います。子供の頃からずっと想い続けてる人が私にはいます。
せやけど……家族や私達の親の世代に話すならともかく、同年代に話すとか超恥ずかしい。こういうのはお泊り会や旅行の時にみんなで話すもんやろ。
ここは適当に誤魔化して……うっ、レヴィの純粋な目が眩しい。そんな目で見らんといて。そんな澄んだ心で聞いてるって分かる目で見られたら私の汚れた心には会心の一撃なんやから。
「ま、まあ……私もええ歳やからな。居るには居るで」
「お〜! ねぇねぇはやてん、特別な好きな人が居るってどんな感じなの? どんな気持ちになるの?」
てっきり好きな人が誰なのか真っ先に聞かれるかと思ったけど、まさかの感情の方とは……。まあレヴィが知りたいのは好きの違いについてみたいやし、ある意味当然なのかもしれんやけど。
これで私も答えやすく……はなるけど、恥ずかしいことには変わりない。下手したら好きな人って誰? って流れになるかもしれんし。
でも……レヴィでも私の交流関係は大体分かっとるからなぁ。私と親しい異性とかショウくんにユーノくん、あとクロノくんくらいやし。その中で誰が私と親しいのかは質問するまでもなく分かるやろうしな。ある意味悟りを開けるくらいレヴィの質問に答えるって決めた時点で詰んどる。
「どんなって言われても……人それぞれと思うで。一緒に居りたいなとかもっと話したいなとか」
「……それって友達と変わらないような気がするんだけど」
「甘い! 甘いでレヴィ!」
友達と変わらん?
そんなわけないやろ。確か
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