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レーヴァティン
第十六話 あらためてその六

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「もう領地がボロボロになって」
「攻められます」
「領民の支持も失ってな」
「そうなりますね」
「あそこまでいかなくてもだよ」 
 両班の様なことまでせずともというのだ。
「やっぱりそうした領主って滅びるな」
「必然的に」
「そうなってるな」
「そうですね」
「ああ、だからな」
 それでというのだ。
「まあいてもな」
「あそこまで酷くなく」
「そうした領主は滅びるさ」
「悪政があまりにも酷いと」
「こっちの世界での基準でな」
 悪政だと、というのだ。
「そうなってるさ、それでな」
「ここの領主殿はですね」
「見ての通りさ」 
 その治める領地や城をだ。
「いい領主さんだよ」
「それはいいことですね」
「だからな」
「ああ、今からな」
「領主さんに会おうな」
 久志も言ってきた、そしてだった。
 彼等は城の中に案内されそうして領主の間まで来た、その領主はというと。
 中年の女だった、赤いドレスを着たその女が質素な石の部屋の高い場所にある座から三人の片膝を屈した礼を受けて立たせて言ってきた。
「お話は聞きました」
「はい」
 智が応えた。
「ドラゴンを倒してきました」
「そうですか」
「これが証です」
 智がこう言うと久志がその頭蓋骨を出して領主に話した。
「ドラゴンゾンビでしたよ」
「ドラゴンはドラゴンでもですか」
「はい、森の深い場所に沼がありまして」
「沼ですか」
「沼のことは」
「はい、あの森は確かに我が領地ですが」
 領主は久志に厳かな声で述べた。
「あまりにも深い森なので」
「だからですか」
「はい」
 とてもというのだ。
「誰も中に入っていませんでした」
「そうでしたか」
「はい、そして」
 そのうえでというのだ。
「普通に戦ったらやばい奴でしたが」
「それでもですか」
「俺達三人で倒しました」
 久志は領主に対してもいつもの態度だった、とはいっても流石に口調は目上の相手に対しての敬語になっている。
「あっという間に」
「ドラゴンゾンビも」
「そうです」
「そういえば貴方達は」
「俺もです」
「私もです」
 久志だけでなく順一も言った。
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