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俺の涼風 ぼくと涼風
3. もう一度
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注目されることに慣れてないのか、顔がほんのりと赤い。初対面に近い私から見ても、緊張が顔全体を支配しているのが分かる。……なんてことを考えていたら。

「ふーん……おまえー……」
「ん?」

 摩耶姉ちゃんが私のことをジッと見ていることに気がついた。

「? 摩耶姉ちゃんどうした?」
「いや、別に。ニヤニヤ」

 なんだか裏がありそうな、ニヤニヤとした笑顔で。

 ガチガチに緊張したゆきおは、たどたどしい足取りでトコトコと提督の隣まで歩いてきた。その後、提督にポンと背中を叩かれ、右手をギュッと握りしめて、さっきも聞いた、優しいけれどよく通る声で、自己紹介をしてくれた。気のせいか、ちょっと涙目に見えた。

「えと……これからお世話になります。北条、雪緒といいます。よろしくお願いしますっ」

 緊張の自己紹介をなんとか終えた雪緒は、ペコリと頭を下げる。その途端に食堂内に響き渡る、艦娘のみんなからの『よろしくぅぅうううう!!!』の大合唱。食堂内の窓ガラスがビリビリと揺れるほどの大きな声援に、雪緒も圧倒されたようだ。冷や汗をかきながら後ずさっていた。提督がゆきおの背中をささえていたから、後ろに倒れるなんて間抜けな事態にはならなかったけれど。

「お、ぉおっ」
「俺の息子だ。わけあってここで暮らすことになった。新施設の三階の部屋にいるから、仲良くしてやって欲しい」

 再び響き渡る、『はぁぁああああい!!!』という大合唱。一回目こそ圧倒されていたゆきおだったが、二回目は大丈夫なようだった。苦笑いは浮かべていたけれど。

「んじゃみんな、食事を続けてくれ!」

 再びお玉とフライパンでカンカンと音を鳴らした提督。それを合図に食堂内に喧騒が戻り始めた。

「んじゃ、俺達も食べるか」
「うん」

 鳳翔さんから夕食が乗ったお盆を受け取った提督とゆきお。ゆきおは何やら周囲をきょきょろと見回し、何かを探しているようにも見えるが……

「おーい提督ー!!」

 摩耶姉ちゃんが左手を上げ、大声で提督に呼びかける。周囲の話し声に負けないぐらいの大声だ。その声は、離れている提督とゆきおにも届いたようで、二人が一緒に私たちの方を向いた。

「……あ!」

 声を上げたゆきおと目が合った。私は箸を置き、右手をぶんぶんと振る。

「ゆーきおー」
「す、涼風……」

 ゆきおの顔から、幾分力が抜けたのがわかった。緊張が少し取れたみたい。ゆきおが柔らかく微笑んだ。

「アタシたちのテーブル、空いてんぞー」
「おーありがと摩耶。んじゃゆきお、あっち座るか」
「う、うんっ」

 摩耶姉ちゃんの呼びかけで、二人がこっちに歩いてきた。『一緒に食べよう』と思ってた子は他にもいたらしく、『ぇー! 私だって提督と食
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