その2
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学校が終わり、花輪クンは帰宅した。と、そのとき、お手伝いさんの一人が深刻そうな表情で花輪クンに近寄ってきた。
お手伝いさん「お坊ちゃま、大変です。ヒデじいさまがお倒れになりました!」
花輪クン「ええ!?ヒデじいがかい?!」
お手伝いさん「ええ。娘さんの春子様からご連絡がありました!」
花輪クン「どこの病院か言っていたかい!?」
お手伝いさん「はい」
お手伝いさんは病院の住所を教えた。
花輪クン「それでは行ってくるよ」
お手伝いさん「あ、坊ちゃまで一人では不安です。私もお供させていただきます」
花輪クン「Sorry、ありがとう」
花輪クンはお手伝いさんとともにヒデじいが運ばれていった病院に向かった。
その頃、ヒデじいが運ばれた病院では春子が不安な表情でヒデじいを見守っていた。
春子「お父さん・・・」
その時ヒデじいは自分でもわからない場所にいた。ここは夢の中なのか、それとも自分は天に召されたのか・・・。
?「あなた・・・」
後ろから誰かが呼んだ。ヒデじいは振り向いた。
ヒデじい「そ、その声は・・・、トシ子?」
トシ子「ええ、もう10年ぶりですね・・・、あなたも元気そうで・・・」
ヒデじい「ああ、確かにお前が死んだとき、私は失意の中にいた。だが、今は花輪家の執事として和彦坊ちゃまの世話役を貰って、私は生きる希望を取り戻した」
トシ子「そうでしたか、その和彦君もきっと私たちの娘の春子みたいに育ってくれているんでしょうね」
ヒデじい「ああ、お坊ちゃまは私のことを必要として思ってくれている。外国での仕事でなかなか会えない坊ちゃまのご両親、つまり旦那様と奥様の代わりとして。それだけではない、お坊ちゃまのクラスメイトの方々も私を慕ってくれている。しかし、トシ子。私はお前のことを忘れたわけではないぞ。私はお前と出会えたから、今があるんだ。決して私だけのおかげではない」
トシ子「まあ、嬉しいわ・・・、でも私は亡くなってしまいました。もう少し生きていれば、和彦君にも会えたかもしれないのに・・・」
ヒデじい「でも、お前だって私の、そして花輪家の大事な一人だよ。でもこうして死んだお前とまた会えるなんてせめて生き返ってくれれば・・・」
トシ子「ははは、そんなこと無理ですよ・・・」
ヒデじい「そうだったな・・・でも私はまたお前と一緒にいたい気分だ」
トシ子「やめてください、私にまた会うために死ぬなんていうのは・・・、あなたには花輪家になくてはならない人なんですよ、和彦君のためにも、そして私たちの娘の春子のためにも」
ヒデじい「そうだな、私はまだ坊ちゃまの世話役としての役目がある。
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