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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第九十五話 帝都オーディンを急襲します!!
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るラインハルトの手には力が込められていた。
「・・・イルーナ姉上、アレーナ姉上。」
ラインハルトは「姉」二人を振り返った。彼の瞳にはある強い決意が宿っていた。そしてそれは幼少の頃から彼女たちが十分すぎるほど知り尽くしていた一つの目的に向かおうとしている眼であった。
やむを得ないか、という目を一瞬「姉」二人は交わした。ラインハルトの胸には噴火寸前のマグマのように激情が湧き上がってきている。それを吐き出させてやらなければ、いつかは身を亡ぼすかもしれない。だとしたら――。
「わかっているわ。目指すは、ノイエ・サンスーシね。」
イルーナたちの言葉に、ラインハルトはうなずいた。それだけでここにいる4人の間にはもう相通ずるものができていたのである。
* * * * *
黒真珠の間にはラインハルト、キルヒアイス、そしてその麾下の提督たちが一斉になだれ込むのに、そう時間はかからなかった。すでに、先発した陸戦隊が敵兵を掃討し、あるいは捕虜としていたからである。
だが、ラインハルトの合図により、彼らは退出し、残ったのはキルヒアイス、イルーナ、アレーナ、そしてフィオーナとティアナだけだった。フィオーナとティアナは背後に下がって油断なく目を配っている。宮廷は制圧できたものの、いつどこからか護衛の兵が現れるかわからなかったからだ。
「・・・・ローエングラム伯か。思ったよりもずっと遅かったの。」
ラインハルトは部下たちと共に黒真珠の間に乱入し、皇帝フリードリヒ4世にブラスターを突きつけていた。わずか2名の近侍に挟まれるようにしてフリードリヒは玉座に、泰然と腰を下ろしていた。
その言葉を聞いた瞬間、転生者たちは悟った。フリードリヒ4世はやはりラインハルトの台頭を予期していた。ここまで来ることを予期していた。
(なのに、どうして?どうして放置しておいたの?)
空気さえも動くことをためらうほどの張り詰めた緊張感の中、フィオーナは脳裏に疑問を呈していた。この問いかけに応えられるのはフリードリヒ4世自身だけだろう。
「10年・・・・。」
フィオーナは我に返った。ラインハルトが絞り出すように声を出していた。
「俺にとっては長い10年だった。だが・・・貴様を討つことは片時も、一分一秒たりとも忘れたことなどない!!!」
ラインハルトの憎悪の声が黒真珠の間に響き渡ったが、フリードリヒ4世は顔色一つ変えず、身じろぎ一つしなかった。
「そうか。それほど余が憎いか。」
その声は平素の従順な臣下に言葉を賜るときの調子そのものであった。
「憎い!!!」
ラインハルトはブラスターを振った。今すぐにでもその老いさらばえた頭を粉々に吹き飛ばしてやりたい衝動を抑えかねていた。
「姉上を・・・・姉上を・・・・貴様は、慰み者にしたではないか!!!大勢の寵姫がありながら
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