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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第九十五話 帝都オーディンを急襲します!!
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り、次いでブラスターの引き金がひかれた。
「覚悟!!!!」
レーザーのほとばしる音がした。誰もがその場で動けず硬直していた。撃った本人であるラインハルトさえも。
 何かが切れる様な音がし、ついで重いものが絨毯にぶつかる音がした。


それは人間の身体ではなかった。


フリードリヒ4世の身体は微動だにしていなかった。ラインハルトが狙ったのは、そのうえ、すなわち頑丈な硬質ガラス繊維の糸で吊られていた帝冠だったのである。
「ラインハルト様・・・・。」
キルヒアイスが駆け寄り、ラインハルトの傍らに立った。
「すまない・・・姉上・・・・キルヒアイス・・・・。」
ラインハルトがブラスターを投げ捨て、目をきつく閉じ、体を震わせている。
「だが俺には撃てない・・・。無抵抗の老人を殺すことなど・・・唾棄すべき貴族やルドルフがやることと同じではないか・・・・。それに今気が付いたのだ・・・・・。」
「ラインハルト様!」
キルヒアイスの顔が明るくなる。ラインハルトはほっと息を吐き、ついで軽蔑の眼で床に転がっている帝冠を見やった。
「だからこそ、代わりに打ち抜いたのだ。唾棄すべき象徴をな。」
「ラインハルト・・・・。」
かすれた声がした。振り向くと、イルーナ・フォン・ヴァンクラフトとアレーナ・フォン・ランディールが意外そうな顔をしている。だがそれは次第に感嘆と尊敬の色で染まっていった。
「イルーナ姉上、アレーナ姉上、すみませんでした。このような復讐に付き合わせてしまい、さぞご心痛だったことでしょう。ですが、もうこんな真似はしません。けりが付いたのです。」
「いいのよ、いいの。ラインハルト・・・。」
アレーナが珍しく湿った声を出した。イルーナが驚きの目をする。
「わ、私だって・・・泣くときはあるのよ。」
「そうか、そうね。むしろこの場で泣けもしない私はドライだということかしら。」
「いや、いいのです。泣きたい人は泣けばいい。だが、私は泣くことはできない。イルーナ姉上たちもおっしゃっていたでしょう?これからが私の本当の道なのだと。姉上を取り戻しただけでは終わらない。その代償を支払わなければならない。何十億という民衆を幸福に導くように歩み続けるのが、私の役目なのだと。」
イルーナとアレーナが声にならないと息を吐いた時だ。
「陛下!!!!」
近侍のうろたえた声がした。すわ、敵か!?と一同が振り向き、フィオーナとティアナが近侍を押さえつけにかかった。
「は、離せ!陛下が、皇帝陛下のご容体が!!」
「何!?」
ラインハルトとキルヒアイスがかけよった。キルヒアイスがすばやく皇帝の腕を取り、脈を図っていたが、手を離し、静かに首を振った。
「亡くなっています。」
ラインハルトたちは驚愕の眼でキルヒアイスを見た。
「心臓発作。」

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