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魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
真・四十四話 それぞれ
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橘に助けられてから少し変だろ?今まで橘が怪我をしようが何しようが、あそこまで詰め寄る事なんかなかっただろうが。聖の時だってな」
「え?なのはがそんなに強気で詰め寄ったの?」
「何かちょっと想像できないかも……」
「凄かったぜ、有無を言わせないっ!って感じだった。でだ。何か心境の変化でもあったのか?」
「変化っていうか…………夢、かな?起きてるときに見る、えっと……白昼夢、だっけ?そんなのを見たの」
「…………な、なのはちゃんが難しい日本語を知ってた……!」
「ちょっとはやてちゃん!それどういう意味!?」
「ああ、もう。はやて、あんまり茶化すな。それで?どういう事なんだ、なのは?」
「ありがとうなの、クロノ君…………その夢の中で、お兄ちゃんと誰かが木刀を持って戦ってて……お兄ちゃんが木刀をその子に振り下ろして……その子がそれを頭から受けて血を流して、それでも立ち続けてるっていう夢」
「うぅん、普通に考えれば願望なんかと考えれるんだが……過去の事を夢として見たという可能性もあるが……そんな記憶はないんだろう……?」
「うん、その筈なんだけど……何か引っかかって……」
なのはは胸に手を当てて考え込む。まるでそこにある何かを引き出したいと言っているかのように。
「なのはも?」
「なのはもって事はフェイトちゃんも?」
「フェイトだけじゃなくて、私もだよ」
「アリシアちゃんもか?実はうちもなんよ」
「何だ?僕とヴィータを除いた全員じゃないか。この分でいけばるいとかもそんな違和感を持っているかもな」
「でも、何で私たちだけ……?」
「さあな。案外、そのなのはの言っているその誰かというのは橘の事かもしれないぞ?」
「な、何で?」
「何でも何も……」
手に持っていた箸を一旦置くクロノ。
「橘の戦っている姿を見てその映像を夢として見たんだろう?だったら一番可能性が高いのは橘なんじゃないか?」
「それは、そうかも……でも、小さい頃の記憶はまだあるし、その中で橘君に出会ったなんて記憶、ないよ?」
「それは僕にもわからん……そんなに気になるならお兄さんに直接聞いたらどうだ?」
「……それもそうかも!」
そう言ってなのはは超特急でご飯を流し込む。
「お、おいなのは。そんなに流し込むと」
「っ!?っ!っ!」
急に動きが止まり、胸をどんどんと叩くなのは。
「ああ、もう。言わんこっちゃない。ほら、水」
「っ、ごく、ごく、ごく…………ぷはぁ!ありがとうなの、ヴィータちゃん」
「お、おう……」
素直に感謝される事に未だに慣れていないヴィータなのであった。
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