第4章:日常と非日常
第120話「変わる考え」
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覚ました時の光景を思い出す。
〈……マスター〉
「…おう、目が覚めたのか」
エアの声に、スリープモードから目を覚ましたのだと気づく。
〈…あの敵は、どうなりましたか?〉
「倒されたよ。天使らしき二人にな」
〈天使…?〉
…そう。天使だ。俺があの時見たのは、間違いなく天使だった。
それも、“知っている二人”が天使になっていた。
覚えていないのか、俺が見ていた事を仄めかしても無反応だったが。
「…とんでもない“世界”に転生させられたよな、俺…」
それこそ、転生すると聞いた時は喜んだものだ。
大好きな“リリカルなのは”の世界に転生できる。しかも特典のおまけ付きだ。
前世とは違う人生を歩みたいからと、ハーレムを作ろうとすら思った。
…思えば、浮かれすぎてたんだよな。俺。
転生して、馬鹿みたいに暴れまわって。
根拠のない強がりを言って、周りを困らせて。
…そして、あいつに止められた。
「何のための特典だよ…。ファンタジー要素があるんだから、死ぬ危険性だってゴロゴロあるだろ。“死なないため”の特典な事ぐらい、気づけっての…」
所詮アニメの世界だからと、アホみたいに…。
“原作”にない展開なんて、当たり前にあったし、その度に俺は負けていた。
司の…アンラ・マンユの時に至っては、本当に現実を思い知らされたさ。
あいつがいなければ、俺はこの場にいないと断言すらできたかもしれない。
「なぁ、エア。…“主人公”ってすげぇよな」
〈…どうしたのですか?マスター〉
「いや、どんな強大な敵が現れても、挫けない主人公が羨ましくてな…。…俺には、無理だ…」
あの男との戦いを思い出すだけで、手が震えてやがる。
…あぁ、今思えば俺が転生に喜んだ理由って、“主人公”に憧れたからなんだな。
「あいつとの特訓で強くなったつもりだけど、“心”においては、未だに“原作”でのなのはに大きく劣ってらぁ。…はっ、精神年齢はとっくに成人してる癖に、子供に負けるとかなっさけね」
〈……………〉
アホな事をしていた自分が羨ましいぜ。
どんなに打ちのめされても馬鹿みたいに立ち直ってるんだからよ。
「なぁ、エア。もしかしたら、俺は…この世界の人達は、とんでもない事に巻き込まれたかもしれん。あの敵に、そいつを消滅させた存在。…そして、その背後の存在。…絶対、これだけじゃ終わんねぇ」
〈……貴方は、何を“見た”のですか?〉
「…魔法とかがある世界でなお、“超常的存在”と呼べる奴だ」
何もかもが、違った。力も、法則も、存在も。
あいつは、無理矢理その領域に行き着いたらしいが…。
「あの男もそうだったが、それを倒した二
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