暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第4章:日常と非日常
第120話「変わる考え」
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、神夜君がやってきた。

「相当落ち込んでるように見えて追いかけてきたけど…大丈夫か?」

「ぇ………ぁ……」

 まともに神夜君の顔を見れない。
 それは、以前までと違って“好き”と言う感情からではなく…。

 …これはきっと、私の“怯え”が原因なのだろう。

「顔色悪いぞ?どうしたんだ?」

 思い出されるのは、神夜君との記憶。
 何事も、神夜君が正しいと思って、傍に寄り添おうとしていた。
 それはまるで、思考そのものが“そうなるように”されていたみたいで…。

「(今までの思い出は…嘘だったの…?)」

 自分が、まるで自分じゃない。
 そんな感覚に陥った瞬間、私は吐きたくなる程の嫌悪感に襲われた。

「なのは…?」

「っ……!」

 気が付けば、神夜君が私に手を伸ばしていた。
 咄嗟に、私はその手を振り払う。

     パシン!

「来ないで!」

「っ……!?なのは……!?」

 突然拒絶された事に、神夜君は戸惑う。……でも。

「……ごめん、なさい…。もう、神夜君の事、信用できない…!」

「………え?」

 全部、嘘だった。彼に抱いていた感情も。思い出も。
 その全てが、偽物だった。本当の気持ちじゃなかった。
 そう考えただけで、目の前の彼が………嫌になった。

「ちょ、なのは!?急にどうしたのよ!?」

「アリサ、ちゃん…!」

 隠れるように、アリサちゃんの後ろに逃げる。
 アリサちゃんごめん…こんな盾みたいな扱いしちゃって。

「ど、どうしたんだよなのは…」

「っ…………」

 体の震えが止まらない。
 今の気持ちと、これまでの気持ちの違いに、嫌悪感が治まらない。
 そんな私を思ってか、アリサちゃん達が庇うように前に出た。

「……あんた、なのはに何をしたの?」

「お、俺が?誤解だ!」

 今までのアリサちゃんからは感じた事のない、気迫が感じられた。
 …きっと、今の私を見て、怒ってくれてるのだと思う。

「アリサ、なのはのこの怯えよう…もしかして…」

「…ええ。多分ね」

 アリシアちゃんとアリサちゃんが何かを話している。
 けど、私は神夜君に対する嫌悪感でそれどころじゃなかった。

「…どうして…」

「なのは…?」

「どうしてこんな…!こんな人の心を弄ぶような事を!」

 そう。今までの私は、まるで心が弄ばれたかのように、おかしかった。
 なんでもかんでも神夜君の言葉に従って…自分の本当の気持ちなんてなかった。
 …それが、たまらなく嫌だった。

「ずっと…ずっと信じさせられていた!フェイトちゃんもはやてちゃんも…皆、皆!こんなの…こんなのってないよ…!」
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