第4章:日常と非日常
第120話「変わる考え」
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っただろう。
…そして、敗北。
気絶したから知らないけど、彼もあの後倒れたらしい。
先ほどの話し合いで、誰かによって敵は倒されたらしいけど…。
「……私、は…」
私は、席を立ってどこかへと歩き出す。
どこへ、などと明確に決めてはいない。彷徨うかのように歩いた。
「………」
私は、今回役に立てなかった。
…ううん、広く見れば、今までも彼には迷惑を掛けてきた。
神夜君の言う事を疑いもせずに信じ切って……。
「(せっかく、魔法の力があっても、私は―――)」
「なーのはっ!」
「にゃっ!?」
沈み込んでいた私の背中に、衝撃が走る。
誰かが後ろから抱き着いてきたらしい。
「あ、アリシアちゃん!?」
「うりうり〜、いつものなのはらしくないぞー?」
後ろから抱き着いた体勢のまま、アリシアちゃんは私のほっぺをつついてくる。
「まったく、あまりに様子が変だから、気になって仕方ないわね」
「ふふ、素直に心配って言えばいいのに」
「ちょっ、すずかぁっ!?」
遠回しに心配するアリサちゃんと、そんなアリサちゃんをからかうすずかちゃん。
…どうして私に?
「どうしてって顔してるわね」
「そこまで深刻な顔されたら、誰だって心配になるよー」
「いつものなのはちゃんらしくないから、皆心配だったの」
「…そっか…」
最近は魔法関連で会わなくなってたけど…やっぱり心配だったんだ。
それとも、そんなにも今の私は心配されるような状態なのかな?
「それで、どうしたの?」
「…………」
背中から降りたアリシアちゃんが、私の顔を覗き込むようにしながら聞いてくる。
「…んー、後悔してるの?」
「っ…どうして…」
「あはは、椿の特訓を受けて、色々鋭くなってるのかもねー。表情や雰囲気でなんとなく読み取れたんだよ。あ、具体的には分からないよ?」
少し気まずそうに視線を逸らしながら、アリシアちゃんはそういう。
―――…最後に、我慢をするな
―――辛い気持ちがあれば、家族や親しい人にしっかり打ち明けろ
―――そうすれば、そういった思いはしなくなる
―――……決して一人で抱え込むな
「っ…………」
心の内を言おうか悩んでいると、ふと以前彼に言われた事を思い出す。
…そうだ。我慢、しなくていいんだ。
「なのは?」
「あの、私―――」
彼に対して迷惑を掛けていた事、神夜君の言う事をおかしい程忠実に聞いてた事。
胸の内にある後悔、罪悪感、疑念、その他色々な事を打ち明けようとして……。
「なのは!」
「っ!」
そこに
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