第4章:日常と非日常
第120話「変わる考え」
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=なのはside=
……最初に会った切欠は、一つの事件だった。
次元犯罪者グループ“カタストロフ”。それが八束神社に現れた。
草の神である椿ちゃんと知り合うと同時に、私はその人…兄妹と知り合った。
その時は、一時の協力者としてだったけど、私としては妹である緋雪ちゃんと同学年だった事もあって、仲良くしようと思った。
でも、神夜君から、彼を信用してはならないと言われ、私はそれを信じていた。
…ううん、“信じ込ませられていた”。
それからは、力を頼る事はあっても、決して信頼はしていなかった。
まるで、神夜君の言う事を忠実に守るかのように。
そして、緋雪ちゃんが死んでしまって、司さんがいなくなってしまって。
事あるごとに、神夜君は彼を疑った。彼が原因だと、責めるように。
司さんが帰ってきて、無事事件が解決した後も、神夜君は彼を信用しなかった。
それにつられるように、私やフェイトちゃん達も完全に信用はしていなかった。
…あ、でも、奏ちゃんとアリシアちゃんは信用するようになったんだっけ?
なんでも、昔の恩人だったとか…。アリシアちゃんは助けられたらしいし。
…今思えば、彼はとても良い人なんだと思う。
それこそ、“お人好しすぎる”って椿ちゃんとかに言われるくらいには。
それに、彼はとても強かった。
“カタストロフ”の事件で、それまで一番強いとか言われていた神夜君に、ユーノ君よりも少ない魔力で勝ってしまう程だった。
司さんを助けに行く時だって、誰も近づけない中、たった一人で突っ込んだ。
それほどまでに彼の何かを為す時の意志は本物であり、とても固いものだった。
それなのに、私は、私達は信用しようとしていなかった。
………そんな事を、今回の敗北から目を覚ました時、考えていた。
どうしてこのタイミングかは分からない。
でも、気絶と同時に、“何か”からも目を覚ましたような、そんな気分だった。
「……………………」
クロノ君が解散の合図を出すと、何人かが席を立つ。
プレシアさんやリニスさんと言った保護者にあたる人達はまだ怪我の治り切っていないフェイトちゃんの事を看てあげたり、治療の手伝いをしたりしていた。
「…………」
ボーっと、まるで上の空のように、私は席に座り続けていた。
思い出すのは、彼に似た男性との戦い。
あの戦いで、私は…いや、私達はまるで歯が立たなかった。
攻撃はすり抜け、動きは見えず、防御も役に立たなかった。
椿ちゃん、葵ちゃん、奏ちゃん、司さんの四人が攻撃を引き付けてくれなかったら、30秒も持たせる事はできなか
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