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真田十勇士
巻ノ九十九 さらば都その六

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「しかしな」
「我等も然りですか」
「幕府にとっては警戒すべき相手ですか」
「それも非常にですか」
「手強い相手ですか」
「そうじゃ、そして我等が幕府につくことはないこともじゃ」
 それもというのだ。
「わかっておるからな」
「そうしたことが揃っているが為に」
「我等を警戒し続け」
「服部殿ご自身も来られますか」
「あの方も」
「そうであろう、それでじゃが」
 幸村は十勇士達にさらに話した。
「服部殿は拙者は御主達に比肩する忍じゃ」
「ですな、その下にいる十二神将と共に」
「我等に勝るとも劣らぬ方ですな」
「その忍術は風魔小太郎殿や雑賀孫市殿と同じだけであり」
「殿や我等とも」
「そうした方まで見に来ておられる」
 だからこそというのだ。
「ここはじゃ」
「はい、くれぐれもですな」
「用心し」
「そうしてですな」
「そうじゃ、警戒していこう」
 こう言ってだ、そのうえでだった。
 幸村達は自分達が見張られていることを念頭に置いて動く様になった。それで隠れることをこれまで以上に徹底していったが。
 服部は彼等の動きを見てだ、その十二神将達に言った。
「わかるな」
「はい、常にですか」
「九度山を出て天下を見て回っていますな」
「傍目ではわかりませぬが」
「確かにそうしていますな」
「真田殿は大人しくされているかというとな」
 幸村も彼の下にいる十勇士達もというのだ。
「ないと思うな」
「はい、それはです」
「最初からないと思っていましたが」
「動きを見ますと」
「余計にですな」
「わしとそなた達だからわかること」
 服部は腕を組み確かな顔で九度山を見据えていた、そのうえで一人一人独特の身なりをしている十二神将達に話した。
「真田殿は天下を見て回っておられる」
「そしてですな」
「修行にも出られていますな」
「そして鍛錬から強くもなられている」
「左様ですな」
「どういった修行かまではわからぬが」
 天下のというのだ、服部もそこまではわからない。
「十勇士は次から次にな」
「強くなられていますな」
「非常にですな」
「強くなられている」
「そうなのですな」
「そうじゃ」
 まさにというのだ。
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