巻ノ九十九 さらば都その二
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「やはりな」
「非常にですな」
「厄介なことになる」
「これで勢い付いて」
「さらに言うことを聞かなくなる」
「そうなることは目に見えております」
「まだ大坂の男衆はよい」
彼等はというのだ。
「だが厄介なのはな」
「おなご衆です」
「皆言うておる」
崇伝や正純、柳生といった知恵袋達もというのだ。
「茶々殿といい大蔵局殿といいな」
「大坂のおなご集は城の外がわかっておられませぬ」
「全くな」
まさに何一つというのだ。
「そうした有様であるからな」
「若し後藤殿が大坂に入られれば」
「余計に勢い付いてな」
「おかしなことをされますか」
「そうなるのは目に見えておる」
「だからですな」
「大坂には渡さぬ」
即ち豊臣家にはというのだ。
「出来るだけそうした者は早めにこちらで何とかすべきか」
「はい、召し抱えまして」
「幕府でな」
「そしてこちらの力にすべきかと」
「だから又兵衛もじゃな」
「そう思いまする」
「では時を見てな」
「是非共です」
「召し抱えようぞ」
家康は服部に約束して実際に後藤を召し抱える機会を待つことにした、しかし今はその時がなくてだった。
後藤を召し抱えることは出来なかった、天下でそうした流れになっている間にもだ。
幸村達は修行を行っていた、筧は果心居士から仙術を教わり続けていた。彼もまた一刻一刻ごとにその術の腕を上げていっていた。
それでだ、果心居士も彼の術を見て言った。
「このままいけば間もなく」
「それがしの仙術はですか」
「免許皆伝じゃ」
そうなるというのだ。
「数日中にもな」
「そこまでですか」
「よくなられている」
その術がというのだ。
「だからな」
「このままですな」
「励まれよ、五行だけでなく八卦も意識出来てきてな」
それでというのだ。
「実にじゃ」
「よくなっていて」
「数日中にな」
まさにというのだ。
「あの免許皆伝じゃ」
「そうですか」
「そしてな」
「はい、そのうえで」
「さらに腕を磨かれよ」
免許皆伝となったそれからもというのだ。
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