1. 『俺だけの涼風』
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と恐怖をもたらすには充分だった。
彼女たちの笑顔とともに聞こえてくる、彼女たちの最期の言葉。耳から離れてくれないその叫びと、ノムラ提督が吐き続けた呪いの言葉は、眠ろうとする私の意識を何度も何度も覚醒させる。
「みんな……みんなぁ……ごめんよぉ……」
目を閉じるたびに、かつての仲間の笑顔を思い出す。この晩、私は中々眠ることが出来なかった。私は布団に潜り、外界と自分の間に壁を作る。恐怖と悲しみで震える身体を縮込ませ、ギュッと目を閉じた。
だが一切の音と光を遮断してなお、かつての仲間たちの最期は、私の耳に響き、目に届いた。
『ずっと一緒にいようなぁ……涼風ぇえええええ』
そして、私に対してノムラ提督が繰り返し言い続けていた、忌まわしい呪いの言葉は、今も私の全身にねっとりと絡みつき、私を執拗に愛で続けているのだということを、私は自覚した。?
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