ペルソナ3
1783話
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で我に返る。
「え? 私だけであの影と戦えって、そう言うの?」
「ああ。少し戦ってみた感じ、そんなに強いとは思えないしな。多分ゆかりでも倒せると思う」
正確にはどのくらいの力量があるのかは分からない。
少なくても小ボスとしてここにいる以上、今まで戦ってきた影よりも強いのは確実だろう。だが、それでも炎獣がいる以上問題はないと判断した。
そんな俺の考えを理解した訳でもないだろうが、ゆかりは数秒考えた後で頷く。
……ちなみに、ゆかりが考えている間にも影はこちらに向かって風の刃を放ってきてはいたが、その全てが俺の振るうゲイ・ボルグによって消滅させられていた。
「そうか、じゃあ任せる」
その言葉にゆかりは緊張した様子で小さく頷くと、弓に矢を番えた。
俺はその場からすぐに離れ……俺と入れ替わるように炎獣が前に出る。
放たれた風の刃は炎獣が防ぎ、そうして次の瞬間にはゆかりが矢を射る。
真っ直ぐに射られた矢は、そのまま進み……
「ギエ!」
短い悲鳴と共に、鳥はそのまま通路に落ちた。
……落ちた? え? あの一撃で?
あまりに予想外の光景に、一瞬何が起きたのか理解出来なかった。
だが、間違いなくゆかりの一撃により、あの鳥は通路に落ちていた。
もしかしたら、何らかの作戦か? とも思ったが、通路の上でもがいている鳥を見る限り、演技のようには思えない。
この鳥が演技をしているのであれば、それこそどこの映画俳優だって疑問を抱いてしまうだろう。
「え?」
その鳥の様子は矢を射ったゆかりにとっても予想外だったのか、ゆかりの口からもどこか間の抜けた声が上がった。
……いや、本当に何を考えてこんな風になったんだ?
そんな疑問を抱いていたのだが、ともあれこれが絶好の好機だというのは間違いない。
「ゆかり、何があったのかは分からないが、今がチャンスなのは間違いない。一気に畳み掛けろ!」
「え、うん。分かった!」
俺の言葉で我に返り、呆然とした状態から再び矢を射る。
何本も続けて射られる、矢、矢、矢。
いきなりだった為か、数本は当たらずに通路の向こう側に飛んでいったが、それでも殆どの矢が鳥の身体に命中したのは事実だ。
しかも矢が突き刺さるごとに鳥は痛みによってか、動きが鈍くなる。
これは……もしかして、単純にこの鳥が弱かったのか?
いや、けど如何にも小ボスだといった様子で待ち構えていたのを思えば、それはちょっと考えられない。
だとすれば、考えられるのは……単純に弓が弱点だった?
なるほど、それは考えられる。考えられるが……もしかしてこの塔のラスボスなり何なりが俺達の様子を見ているのだという俺の予想は外れたのか?
でなければ、それこそこうしてピ
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