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元令嬢、冒険者になる 〜婚約破棄されたので国を捨てました〜
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国はかなり大きな国であったのだが、今はかなり衰退しそして腐敗してきている。
そんな中、どんどん優秀な人材は外に流出していっていたが、だがマートライト家の管理する王国の騎士団だけは世界最強の名を持っている。
そしてそんな人材が騎士団に集まる理由、それは武勇で名高いラミスがこの王国にいることなのだ。
だが、その兄であるサーマル・マートライトは才能はあるものの、努力をしようとしない愚物で、男子であるという理由で彼がマートライト家の当主になった今、ラミスがこの王国を抜け出せば最強の騎士団が崩れるのは目に見えている。
そのことを恐れた国王がラミスを王国に留まるために王子と結んだのがこの婚約で、そのことを知っていたラミスは1つ条件をつけた。
それは王子が愛人をいくら作ろうが気にはしないが、自分との肉体関係は拒否する、という。
その理由は国王に甘やかされて育った王子とそんな関係になるのはごめんだという、至極簡単なもの。
だがラミスは余りにも容姿が整い過ぎていた。
艶やかな金髪に、メリハリの取れた豊満な胸と臀部にしなやかなウエスト。
そして王子がそんなラミスを前にして我慢が出来るはずがなかった。
もちろんラミスはそのことを悟っており、王子が心変わりをすれば肉体関係を許すと言ったのだが、王子が自分を変えようとすることはなかった。
それどころか力強くで押し倒そうとしてきたのだから。(もちろんラミスは返り討ちにしたが)
「本当に、想像以上の馬鹿でしたわね……」
そして流石に王子の暴走が目に余ると考えていたラミスだが、まさか妹に劣等感を抱え逆恨みをしている兄と手を結ぶとは思っておらず、思わず頭を抱える。
そしてぽつりと言葉を漏らした。
「これまでお父様のいう通り王家の顔を立ててきましたが、もうやめますか……」
対する王子はラミスの言葉が聞こえず、ただ婚約破棄を恐れているとでも思ったのか、相変わらずの下卑た笑みのまま、ラミスの耳元で何事かを囁こうとして、
「今からでもお前が俺のものになるならば、お前の冤罪をこのおれ………ぶべっ!」
「気持ち悪いですわ!」
その途中でラミスに殴られ吹っ飛んだ。
「うわぁ!」
「に、逃げ、ぐはっ!」
そのまま王子は素晴らしい回転のまま飛んで行き、王子とよくつるんでいるボンボン達の中に突っ込む。
「あぁ、気持ち悪い……と、鳥肌がしてきましたわ……」
突然王子が宙を舞ったという状況に周囲の貴族から言葉が消える。
だがラミスは一切周りを気にすることなく必死に王子が囁きかけた耳を擦り続ける。
そしてパーティ会場になんとも言えない空気が漂いだして、
「貴様ぁ!よくもこの私を!王子
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