ペルソナ3
1782話
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今まで遭遇した影は、魔法を使ってこちらを攻撃していた。
だから影というのは基本的には魔法で攻撃する存在なのだと、そう思っていたんだが……どうやら違ったらしい。
少なくても、この影は物理攻撃を行えるらしい。
その事に少しだけ驚き……だが、次の瞬間には突っ込んできた影とすれ違うようにしながら回避する。
半歩身体を横に動かしただけだが、影にとっては一瞬にして姿が消えたように思えただろう。
「どうした? その程度か?」
向こうがこっちの言葉を理解出来るのかどうかは分からない。
だが、もしかしたらと思い、そんな挑発の言葉を口にする。
……次の瞬間、影は小さく反応したように見えた。
勿論偶然かもしれないが、こっちの言葉を理解出来ている可能性もある、のか?
「マハブフ」
影がそう告げた瞬間、魔法が発動する。
それは、純粋な威力そのものはブフ……氷の魔法と変わらないだろう程度のもの。
だが、マハとついているのは全体攻撃という扱いなのか、より広範囲に吹雪が放たれる。
「きゃっ!」
放たれた吹雪は、俺だけではなく、俺からある程度距離を取った場所にいたゆかりに対しても及ぶ。
それを、背後から聞こえてきた悲鳴で気が付くも、特に心配はしていなかった。
何故なら、ゆかりの側には護衛として置いていた炎獣がいるのだから。
こちらにも向かってくる吹雪をゲイ・ボルグで消滅させつつ背後を見る。
そこでは俺の予想通り、炎獣がゆかりの前に出て吹雪を防いでいた。
炎に対して氷の攻撃。
普通に考えれば、炎が負けてもおかしくないのだが……元々の出力となる部分が大きく違う。
放たれた攻撃は、炎獣に触れる事も出来ずに蒸発していく。
分かってはいたが、取りあえず向こうは安心、か。
その事に安堵しながら、次の瞬間にはゲイ・ボルグを振るう。
するとこちらもまた予想通りと言うべきか、今まで戦った影と同様、槍の穂先に触れた瞬間、ゲイ・ボルグは影を消滅させる。
……うん、やっぱりゲイ・ボルグはちょっと強すぎるな。
いや、この塔を攻略するだけなら何も問題はないんだが、ゆかりの成長を考えると、あまりに圧倒的な能力を持つ俺を頼って……というのは、色々と不味い。
ゆかりの中に油断が生まれる可能性というのは、十分にあった。
そうである以上、もう少し弱い武器を使った方がいいのか?
……その辺はもう少し上の階層に向かって、影が強くなっていくのであれば考えた方がいいな。
ともあれ、新種の敵を倒した事に安堵する。
「ちょっと、大丈夫!?」
そんな俺の様子を見て、ダメージを受けたと思ったのかゆかりが慌てたようにこっちに近づいてきた。
「ああ。問題ない。特に怪我らしい怪我はして
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