第一部 少年たち
第四章
無慈悲な世界
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直撃する。踏ん張りが効かずに勢いに押し切られるかたちでふっとばされる。神機が後方に飛び手元から離れてしまう。神機に目を取られた一瞬でボルグカムランが距離を詰め。体めがけて槍が飛んでくる。飛びながら体を捻り回避をするも槍は腹部を掠める。声にならない悲鳴をあがる。激痛とともに腹部から血が飛び出る。痛さに気が朦朧とする。着地はもちろんうまくいくはずもなく、地面に仰向けに倒れる。
(油断した。いやそんなことないのに)
ボルグカムランはゆっくりと近寄る。
(まだ、大丈夫。急所にはあたってない)
敵から視線を外さず、ポケットに手を入れる。
(体は動く、神機はおおよその位置はわかる。なら、まだ!)
ポケットからスタングレネードを取り出し投げる。起爆し、閃光がはしる。ボルグカムランの視界が奪われる。体を起こし、神機の取りに行く。
(この傷思ったよりも深い。少し休めさえすれば、でも)
辺りを見渡し、少し遠くの岩陰に身をひそめる。
(この場所なら、すぐ見つかりはしないね)
ボルグカムランから目を離し、岩陰の内側に目を向ける。
「え、どうしてこんなところに」
思わず声をあげてしまう。そこにはやつれた老夫婦と小さい男の子の三人が隠れていた。しかもその子の手元に先に来ていたのであろう神機使いの神機が握りしめられていた。
「おねいちゃんもゴッドイーターだよね。かてるよね?」
男の子は身震いしながらいう。この子はどんな思いでこの状況にいるのだろう。察するだけで胸が破裂しそうになる。
「大丈夫、おねいちゃんね。とっても強いので有名だから少し休んだら余裕よ」
そう言って笑顔をつくる。
「ぼうやもよく怖いのを我慢できたね。すごく強いよ」
決して勝てないと思っていたことを悟らせない。この人たちをまずは安心させないと。
老夫婦の二人が優しく男の子を抱きしめる。
「おじょうちゃんはスサノオを倒せるのかい」
老夫婦のおじいさん心配そうに尋ねる。
「スサノオってあれはボルグカムランじゃないんですか」
(まさか、スサノオって神機を好んで捕食するっていう)
「ありゃ、スサノオじゃよ。わしはこう見えても昔はフェンリルにいての。その際にスサノオの生態について研究しておった。姿はもちろん、行動がまさに神機使い殺しやったわい」
老夫婦のおじいさんはそう言って男の子の神機をみる。
「その神機使いのかたはスサノオに」
「そうじゃ、わしらがアラガミの群れと接触して食べられそうになっていたところを保護してくれての」
(だから、小型アラガミがいなかったのね)
「おじいさん、スサノオの生態を研究していたってことは、あいつの弱点とかわかりますか? 知っているなら教えてください」
「弱点といえば、口周辺には神属性の貫通持ちの銃撃と剣撃ならば、あやつの尻尾である剣に有効じゃ
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