第六話 幽霊の父
[10/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
ことをぺらぺら喋らないで頂きましょう」
「なっ! い、良いぜ。なら俺らが勝ったら軍を去ってもらおうか!」
「そんな! 無茶苦茶です!」
「良いんですゼオラ曹長。それぐらいじゃなければ釣り合わない。……上等」
「……ならば俺が立ち会おう」
「カイ少佐……」
「カイ少佐! 止めないんスか!? もしライカ中尉が負けちまったら……!」
「俺は古い人間だ。“覚悟”している者を止める手段など知らん。俺にできる事は公平に見守るだけだ」
「ありがとうございます」
これ以上にない立会人の元、ライカと三人組の模擬戦が始まることとなった。
◆ ◆ ◆
「準備は良いか?」
「チャーリー1、スタンバイ」
「チャーリー2、同じく」
「チャーリー3、準備完了」
「ライカ・ミヤシロ。準備できました」
一人だけ名前というのも場違い感がすごいが、これからのことを考えるとどうでも良かった。そうライカは三人の機体である《量産型ヒュッケバインMk‐U》を見る。
チャーリー1はビームソードとチャクラムシューターを装備した接近戦特化型。チャーリー2はフォトンライフルとコールドメタルナイフ、それにG・リボルヴァーという比較的オーソドックスな装備。チャーリー3はレクタングル・ランチャーにG・レールガンという遠距離支援型。
対するこちらは――。
「量産型ゲシュペンストMk‐Uだと!? 舐めているのか!」
「まさか。これ以上に無いぐらい本気です」
固定装備はそのままに、M90アサルトマシンガンとコールドメタルナイフ、サイドアームにM950マシンガンと、動きに支障を来たさないギリギリの装備で臨むライカ。
「始め!」
流石にあの作戦に参加していただけあって連携の取れた良い動きだった。チャーリー2と3でこちらを縫いとめるべく射撃を行ってきている。
操縦桿を倒し、円を描くような機動で回避。まず支援を潰すべくチャーリー3へ狙いを定め、引き金を引く。
しかし三点バーストで放たれた弾丸はチャーリー3機の肩部を掠めるだけ。
「……カバーが早い」
チャーリー2からの発砲に気づき、すぐに後退するライカ。フォトンの爆発が仮想空間の地面を砕き、破片が襲ってきた。
背後から接近警報。既にビームソードを抜いていたチャーリー1が真っ直ぐに向かってくる。
ペダルを踏み込み、機体を上昇させることで真横の斬撃を避けることに成功した。
すぐさま武装パネルからスプリット・ミサイルを選択し、トリガーを引く。背部コンテナから放たれた二発がやがて子弾をばらまき、三機へ向かっていく。
当たることは期待していない。そもそも――当てるつもりで撃ったのではない。左手のM950マシンガンで親弾から分かれた子弾の幕へフルオートで
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ