第六話 幽霊の父
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ね」
「……少佐。本当にアレを完成させようと?」
「愚問ね」
「アレの最終目的は何ですか?」
メイシールが首を横に振る。
「知るにはまだ早いわ」
「冗談じゃありません。あんなものを平然と使わせる神経が理解できません」
「随分な物言いね。一応、上官侮辱とかで処罰出来るんだけど?」
「上等……。やるなら早くお願いしますね。最も、操縦できる人材を確保できているならですが」
途端、メイシールは黙る。
そのはずだ。そうでなくては困るからだ。シュルフツェンが、『CeAFoS』が今までどれだけの人間に被害をもたらしたか分からないが、自分はこうして“復帰”できた。
恐らく自分を逃がしたくはないはず。その強みがあるからこそ、自分はこうして強気に出れる。
「……流石、元『ガイアセイバーズ』ね。痛い所を突いてくるわ」
「関係ありません。それでどうするんですか? 私を逃がすか、妥協するか」
「妥協?」
――喰い付いた。
二回と乗って分かったことがある。彼女に対してはああ言ったが、ライカは『CeAFoS』を完全否定しているわけでは無い。
いくら機体性能が良くても、それを動かす操縦者が悪ければ持て余してしまう。その差を埋めるという意味では、『CeAFoS』は画期的なシステムと言える。
ただ、それが余りにも人間に譲歩しなさすぎるという点でライカは気に入らなかった。補助をするシステムが補助される側を完全無視しているなど本末転倒も甚だしい。
だからこれから提案することはメイシールと自分が妥協できるであろうライン。
「――――そういうことでどうでしょうか?」
「……ふ〜ん、どうやら完全に否定している訳じゃないみたいね」
不敵な笑みを浮かべ、メイシールはクロードが持ってきた果物カゴの中からリンゴを取り、一口齧る。
「……それは私のですが」
「上官だから良いの。……まあ、それぐらいなら良いわ。データが取れれば問題ないし、それに」
リンゴを齧るのを止め、ライカの方を見る。
「貴方ぐらいしか『CeAFoS』を扱える人はいないしね。最大限の妥協はさせてもらうわ」
「……ありがとうございます」
この話はこれで終わり。次の話題は既にライカの中で決まっていた。
「少佐はあの二機をどう思いますか?」
「ガーリオンはともかくあの“一つ眼”は私も心当たりが無いわね。見たところPT寄りな気がするんだけどね」
「PT……やはりですか」
「その割には各所にAMっぽい仕様も見えるし、謎よ謎。PTとAMの特徴を上手く合わせた機体……そうね、ハイブリッド機って表現が似合うわね」
「どこの機体だと思いますか?」
「あの性能を叩きだせるようなチューンが出来るって言ったら
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