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幸福
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ひどい態度をとったことが申し訳ないのと胸がいっぱいで、私は何も言えず、首を縦に振ることで精一杯だった。

「白音お姉ちゃん……」

また、涙が溢れてきた。今度は、安堵と感謝の、暖かい涙。

お姉ちゃんは私を抱きしめた。

「お姉ちゃんっ、ダメだよ、怪我しちゃう……」

私の背や腕には、鋭いヒレがある。お姉ちゃんだけには、傷ついて欲しくない。でも、お姉ちゃんは私をさらに抱きしめた。

「もう何も怖くないよ……ハルちゃん。自分の腕、見てごらん。」

私は、自分の腕を見た。そこには……

「ない……ヒレ、無くなってる……」
「ハルちゃん、もうハルちゃんは誰も傷つけなくていいの。誰にも傷つけられなくていいの……」

私は、お姉ちゃんの細い体にすがり付いて泣いた。お姉ちゃんは、そんな私を嫌がることなく、受け止めてくれた。

「お姉ちゃん、あったかい……」
「ハルちゃんもだよ。」

もう、大丈夫なんだ。誰にも苦しめられない。私は自由なんだ。ずっと、お姉ちゃんと一緒なんだ。

今度は、私の番だね。何があっても、助けてあげるよ。


私の大好きなお姉ちゃん。

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