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とある3年4組の卑怯者
7 招待
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い顔をした。その顔を見てみどりは哀しみをすぐ表してしまった。
「そ、そんな・・・ぐす・・・、やっぱり急に誘ってやっぱりご迷惑でしたでしょうか・・・?」
 みどりは半べそとなった。まる子と藤木はさすがにこれは断ったらまずいと思った。
「いや、そんなことないって、行けるよね?藤木?」
「う、うん、日曜は特に用はないから大丈夫だよ!!」
「そうですか、ありがとうございます!」
 みどりは泣き止んだ。藤木もまる子もやれやれと心の中で思った。
「あ、そうだ、お姉ちゃんも行かない?大勢で行けばきっと楽しいよ!」
 まる子は自分の姉に振った。
「残念でした。私はよし子さんたちと映画を見る約束あるんで」
 まる子の姉はあっさり断った。
「それじゃあ、五人で決定じゃな」
「ありがとうございます、まる子さん、藤木さん」
 みどりは今度は嬉し涙のようだった。藤木は作り笑いをしていたが、心の中では溜め息だった。
(やれやれ、結局行くことにしちゃったよ・・・)
 こうして日曜の予定が決まったところで藤木は家に帰ることになった。

 夜となり、両親が帰って来ていた。藤木は既に寝る時間であったが、日曜に予定が入ったことを伝えなければならない。
「あの・・・父さん、母さん」
「何だい、茂」
 父が応答した。
「今度の日曜、さくらたちとデパートに行く約束だけど、行っても大丈夫かな?」
「あら、いいじゃない、行ってきなさい、さくらさんに迷惑かけるんじゃないよ」
 母が承諾した。
「でも、何か乗り気がしなくて・・・、やっぱり断ろうかなと思って・・・」
 ところが、父が「は?何言ってんだお前は」と藤木を睨んだ。
 母も顔を変えた。
「何を考えているんだね、約束したんでしょ、なのに後で断るなんてどういう事よ!?だからアンタは卑怯って言われんのよ!」
 藤木は凍り付いた。親にまで「卑怯」と呼ばれる羽目になってしまった。行くしか選択肢がなく、仕方ないと思う藤木であった。
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