000_プロローグ
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と時間を移動する従来のものとは異なり、記憶のみのタイムワープで自分が生きている間の過去にしか行けない。文字通り“時間の巻戻り”だ。しかしこれは大変危険なものだった。
私はその危険性を認知してもらうべく研究を重ねて論文を発表したが、世間は認めてくれなかった。天才とは常に死んでから理解されるものだ。生きてる間に追い付けるほど時代は早く進まないのだから是非もない。だが、今はそうも言ってられない。
タイムバックの特徴だが、辿った時を戻っているのだから、別の時空に飛ぶことがない。故にある時点でタイムパラドックスが起きてしまう――確実に。
私は先ほど、このタイムバックを「観測した」と言ったが、タイムスリップのような自然現象ではなく、意図的に引き起こしている存在がいる。時間に悪い影響を及ぼす時間移動をわざと起こす存在がね。そして、観測できた中で最初の歪みの発生時点が2017年5月24日。私にとっては80年前の話だが、君たちにとっては――明日の出来事になる。
これこそが私の言った“危険”であり、私がここへやって来た“理由”だ。お分かりいただけたかな。
おや、もう時間のようだね。随分話し込んでしまった。では最後に一つ。
鐘がなったら3回竜頭を押したまえ。
以上だ。機会があったらまた話そう。
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