ペルソナ3
1781話
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「……は? 何だ、これ?」
それが、塔の2階に上がった俺の口から、思わず出た言葉だった。
エントランスとなっている塔の1階は、別に昨日とは変わっていない普通の状態だった。
その事に若干安堵しながら、それでもこの現象の中では何があるか分からないと考えつつ階段を上った。
そして2階に上がり……いきなり目の前にあったのが十字路だった事で、俺は明らかに困惑してしまう。
まさか、場所を間違った……何てことはあり得ない。
そもそも、この塔と他の場所を間違うような事がある筈もないし、エントランスの階段も1つしか存在していない。
そう考えると、やはりここにあるのは俺達が昨日来た場所に間違いはない。
「どうなってるの、これ」
目の前の光景に困惑しているのは、俺だけではない。
いや、寧ろこういう非常識な体験をするゆかりこそ俺よりも混乱しているのだろう。
「どうなっているって言われてもな。……どうなってるんだと思う?」
「だから、そこでまた私に聞かないでよ。……本当にどうなってるのかしら、これ」
ゆかりと、愚にもつかない会話をしながら、この塔について考える。
まず分かっているのは、この塔は恐らく1度外に出るか、もしくは次の日になると塔の中身が全く違うものになるという事だ。
恐らく、本当に恐らくだが、次の日になると塔の中身が全く違うものになるというのが正しいだろう。
そもそも、考えてみればこの塔は毎日あの現象になると姿を現す。
他の建物は変わっていないのに、だ。
そう考えれば、毎日のように塔の中身が変わるというのは、納得出来ないでもない。
エントランスの方が特に変わっていないのは、正直疑問だが。
「どうなっているのかは分からないが、とにかく上に向かうしかないだろ。多分……本当に多分だが、今までの俺の経験から考えると、ランダムに階層が変化するような場所だと、それが変わらないような場所がある筈だ」
正確には、ここが何らかの原作の世界であればという前提条件の中での話だが。
そうでもなければ、この世界が原作となっている物語で、塔を攻略出来ないだろう。
かなりの高さを持つ塔だけに、上層部まで……いや、待て。もしかして。
「ゆかり、悪い。ちょっと試してみたいことが出来た」
「え? 何よ、急に」
「いいから、一旦この塔の外に出るぞ。勿論ゆかりがここに残っていたいのなら、それはそれでいいけど……どうする?」
「行くわよ。こんな場所に私1人で残されても、どうしようもないじゃない」
そんな訳で、俺とゆかりは一旦影のゲートに身を沈め、塔の外に出る。
そうして改めて間近で塔を見上げると……うん、やっぱり高いな。
勿論巨大人型兵器とかを見慣れている俺にとっては、高い事
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