木暮の過去
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私たちは垣田さんの話を聞く。
「木暮は親に捨てられたんです」
「えっ?」
予想外の言葉に私たちは言葉を失った。
「親に捨てられた?」
黒薔薇くんが悲しそうに口から言葉を発する。
「ええ。小さいころに木暮は母親に旅行に行こうとと連れ出されて駅に置き去りにされてそのまま捨てられた過去があるんです」
垣田さんは少し間を空け、続ける。
「それからでしょうが、木暮は親のことを【あいつ】と呼び、憎しみを露わにしており、そのせいで人を信じることが出来ずいたずらを繰り返すひねくれた性格になってしまったんです」
「?そうだったんですね」
春奈ちゃんの口からそう言う言葉が漏れる。
垣田さんは春奈ちゃんの言葉に頷き話す。
「しかし、漫遊寺中ではその性格を直し協調性の大切さを教えるために掃除を木暮にして貰っているのですが、本人にはただの嫌がらせにしか感じていないようで、逆効果みたいで?」
垣田さんはそう私たちに困ったような表情で話した。
「では、木暮くんにサッカーをさせてみてはどうですか?」
そんな時、春奈ちゃんが垣田さんに対しそう提案する。
「木暮にサッカーを?」
「はい!木暮くんは毎日掃除をして足腰がとても丈夫なんです!木暮くんならできると思います!」
春奈ちゃんの説得に垣田さんは腕を組んで考える。
「わかりました。昼からの練習に木暮を参加させましょう」
こうして春奈ちゃんの説得により、木暮くんは練習に参加することになった。
「わわっ?!うわっ!」
午後。
漫遊寺の選手たちと練習に参加した木暮くん、サッカー経験はあまりないのか
ボールに触ることもできず、ずっと走り続ける。
「木暮くん、なかなかボールとれないね?」
秋ちゃんの言葉に私は答える。
「確かにボールには触れてないけど、木暮くん凄いよ。こんなに走っているのに全然息が切れていない」
私の言葉に秋ちゃんは「確かに」と納得する。
「なんでだよ!なんで取れないんだ!」
木暮くんもボールを取れないことで焦ってボールを取ろうとして
余計に空回りしているみたいだ。
木暮くんはそのまま続けたがボールを取ることが出来ず
ついには諦めてどこかへ行ってしまった。
「あ、木暮くん?」
私が発した言葉も木暮くんには聞こえていなかったらしい。
「私、木暮くんを追いかけてきます!」
「うん、お願い」
私は春奈ちゃんに木暮くんを任せることにした。
「ここにいたんだ木暮くん」
春奈は木暮に対しそう話しかける。
「なんだよ、笑いに来たのか?」
木暮は春奈に向かいそう話すと、その場を離れようとす
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