0121話『如月と睦月の提督慢心事情』
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うのだ。
攻略だけならまだしももしも新艦娘を救出するという名目の掘りで沼ってしまったらどれほどの損害が出るかもわからないからだ。
前々回の作戦の伊13ちゃん掘りでそれはもう十分味わっているからできるだけ資材は満タンにしておきたい気持ちも分かっている。
「……そう考えると如月達が考えているよりもっと司令官は深く考えているのかもしれないわね」
「およ? 如月ちゃん、なにか話をいきなり飛ばしちゃったね」
「あら……。ごめんなさいね睦月ちゃん。ただ掘りでの被害も考慮しているとやっぱり臆病でもいい、万全の態勢で挑みたいという気持ちも分かっちゃったのよね」
「そうだねぇ。昔は提督も少ない資材でひぃひぃ言っていたからね」
睦月は昔を思い出しているのだろう。苦い顔をしていた。
まだ資材が行って5桁くらいがやっとの時代。全体的に低かった練度、足りない装備、お目当ての艦娘がドロップせずに阿鼻叫喚する様など……。なんとかそれでも資材が底をつきそうになるくらいにはなんとか全員手に入れてイベントも丙作戦でクリアしていった。
この世界に来るまで丙作戦に甘んじていたために甲作戦になかなか挑めなかった。
だけど大本営のお達しで甲作戦で初めてクリアできたことなど……。
睦月は昔から最近の事までをざっと思い出していて、
「今までかなり苦労したにゃしー……」
「そうよねぇ……」
それで二人して溜息を吐くまでが定番のやり取りだったりする。
と、そこに背後から気配を感じた二人。
なにやら嫌な予感がしたのでおそるおそる振り返るとそこには少し複雑そうな表情をした提督の姿があった。
「あっ、その、司令官……」
「提督……。にゃ、にゃしぃ……」
二人は思わず言葉に詰まってしまった。
この表情からしておそらく二人の会話は聞かれていたのだろうと悟る。
そしてしばらく無言の三人。
少しして、
「ごめんなぁ……頼りない提督で」
「そ、そんなことはないわ!」
「そうにゃしぃ! 提督はとっても頑張ってるよ!」
「いや、さっきの二人の会話をたまたま聞いちゃってな。胸に刺さる刺さる……」
《提督……大丈夫ですよ。二人は悪きはないですから》
榛名のフォローが入るがそれでもダメージは大きいらしくまだへこんでいるようであった。
それでどう声をかけていいか分からない二人だったが、
「だけど、これからも君達に心配かけないように頑張っていくから。だから着いてきてもらってもいいか……?」
そう提督が二人に言った。
それで如月は少し安心した表情になって、
「ええ、もちろんよ。司令官がダメになりそうだったらいつでも甘えてくれてもいいですからね?」
「睦月も睦月も! 提督のことを慰めるにゃしぃ!」
「ありがとな二人とも」
そ
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