第十話「賢者の訪問」
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「……」
「?」
「あ、すみませぬ、こちらでございます」
「ありがとうございます。私の魔法と知恵でなんとかお救いしたいと思います」
「待て!」
「?なんでしょう?リリアーナ姫」
「わたしを旧姓で呼ばないでくれる?アルテミナス?あなたはわたしの軍議に口を挟んだ、あなたはそ
れを答えてから行くべきで?それに我が城に忍び入るとは何事か!」
「お言葉ですがベル様、タイターニア様のお命が弱まっているのを感じています。事は一国を争うので
す。それにこの状況下でよくこれほど兵をまとめてられると関心ですが、少し薄情ではないですか?」
「な、なんですって?」
「あなたはこの国の王と王女を抜きにしてこの戦勝てるとお思いですか?」
「そ、それは」
「それから、腰のその銃、不吉な気配を放っております、それは海賊王の持ち物です、あの方の持ち物
は海賊がもって真価を発揮するもの。あなたの身辺に富と悪名がつきないことがこの国にどれほど大き
な影響を及ぼしているかお考えですか、富と悪名は災いを呼ぶ者です、王族として身に着けるべき、武
器ではありませんね」
「う、うう」
「それから、明日の戦い、森で戦えばこちらの負けでしょう。彼らは翡翠の国も火で落としました。こ
の国もおなじことです、森が目的といえど、それが障害になるなら一度燃やしてその土でもう一度自分
たちの都合の良い森を造る、実りを司るあの者にはたやすいことでしょう」
「ううう」
「ベル様、アルテミナスとは心に良いことを申しますがそれは薬と同じです。良い薬ほど苦い者なので
すよ、ベル様はご立派です、ですが彼女の言うことも一理あるのです、ベル様どうか、おてんば姫の殻
をおやぶりください」
するとベルはすっくと立ち上がって。
「作戦参謀、これより、指揮権はこのじいに移す、母上は死ぬはずはない、そのための月のアルテミナ
ス、わたしはわたしにしかできないことをする。船を一艘借りる!船乗りもね」
「べ、ベル様!?」
「じい、あなたはこの国の大事な懐刀、この国に必要、むしろ、私の存在こそ、この国には今は必要は
ない、大丈夫、身の回りのことは全てできるし、私には、座して死を待つ王座よりもあるべき場所があ
ることを知ったわ。今よりオレアノール第一王女は海賊王妃として紅のローズマリーのジョリー・ロジャー(海賊旗)を掲げて、船を出す、戻ってくる頃には全ての海の海賊を従えてこの国に戻るわ!
月のアルテミナス、アルテミナスは思った。
(やはりこの、お姫様はタイターニア様に似ている、自分の母親が危篤の時に王族の身でありながら海賊
の旗を掲げる。かって若きタイターニア様が海賊王に連れられて八つの海を冒険した
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