第五話 『CeAFoS』――起動開始
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私じゃない!!)
回避行動を取っているアルシェン機を肩部・脚部スラスターでほぼピタリと捉え、やがて質量と質量は衝突する。
「なんだコイツ!? 死に急ぎ過ぎてんぞ!? イカレやがったか!」
「……どうやら基地が制圧されたようですね」
それを区切りに、アルシェン機と“一つ眼”はシュルフツェンから一気に遠ざかる。クローアームの機銃を乱射しながら、“一つ眼”の中の“ハウンド”はライカへ音声通信を送る。
「灰色のゲシュペンスト。聞こえているかは分かりませんが……。基地がたった今制圧されました。いくら私達でもこの後来るであろう増援を相手にする余裕はないので、今日は退かせて頂きます」
「ま……て……!」
「私は“ハウンド”。もし再び私の前に現れたら……その機体を頂戴します」
手馴れた傭兵の何が一番怖いかと言うならば、その引き際の良さだ。事実、アルシェンと“ハウンド”はもう既に戦闘空域から離脱していた。
「はぁ……はぁっ……!!!」
良かったと、本当に思う。安堵と同時に、シュルフツェンのモニターが水蒸気で覆われた。強制冷却だ。余りにも、動きすぎだ。
(こんなモノを……人間に使わせるのですか、少佐、は――――)
シュルフツェンの“泣き声”を子守唄に、ライカの意識は闇に落ちる――。
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