第九話「花の都」
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に剣を残していった。
王の木は最後に言った。彼の者に一房の実も与えてやらぬといくら木々を惑わし森を殺したとて我ら
の怒りがやつの腹を空腹で殺すまでわしらの怒りはとどまらぬとな。あの懸命な王の木が、死に際に憎
しみで我を失う様を私は見たくなかった。フォルノウス!お前だけは許せん。行くぞ。あの魔獣を全て
斬って捨ててやる」
城では三万人の兵士が弓に縄を張り、剣を研いでいた。みな、もう火のようになって戦いの準備をし
ている。
海王の娘タイターニアは、戦装束に着替えた。鎧に、女性らしく羽衣を着て、鎧の継ぎ目を見せないようにしている。
誰の眼にも天使が降り立ったように見えたろう、さよう、タイターニアは海王の娘、海の一族の姫な
のだ。その日の内にうみねこに暗号文をもたせ、海王に援軍を求めた。深海の神殿に住まう、海王はポ
セイドンを崇めており三叉の矛トライデントの達人、そしてその娘、タイターニアは賢人、プラトゥー
ンの黄金のひしゃくの使い手、このひしゃくは美しくてそしてものすごい重く、力の神が3日かかって
やっと持ち上げたという、そのひしゃくをタイターニアは木の葉のように扱う。
いわく、ひしゃくは海の水をまるごとすくいとり、地上を洪水で全てを押し流してしまうという。神話
の時代からの神器なのだ。
ベルの持つジョリー・ロジャーも伝説的な武器だ。元は海賊王の持ち物で、それがいろんな船長をて
んてんとした。当時、海賊王は、海王の鼻先を悠然と駆けていった。彼はすべての海を航海して、ジョ
リー・ロジャーの銃によってどんな敵とも渡り合った。もちろん剣の腕前だって超一流だ。海賊王の船
にのっていた片目のアルジャーノという男が港の酒場で今は昔話を子供に聞かせながらいう、あいつに
かかっていった奴で生き残った奴はいねえし、あいつの怒りを買って、そいつがどうなったか知る奴はだれもいねえのさ、世界中の海を我が物顔でいくあいつにはそれくらいの伝説はおまけ程度なものだがな。
それをどうしてベルが持っているのか、彼女は小さいころ、海賊船にさらわれたことがあった、なのに持ち前の度胸ですぐに海賊と仲良くなった、それで船長がベルに惚れて大事なジョリー・ロジャーを
あげてしまった。ベルはすぐに一人前のガンマンになってしまった。オーべリオンは、剣を学ばせたかった。タイターニアは、もっと相応しい武器を用意していた。しかしベルの心にはだれにも侵すことのできない海賊の自由な心がある。
だから、剣の腕前が絶対のこの世の中で銃を使うのだ。まあ、剣を取らせてもかなり強いのだが。
三万人の兵士が城の広場に整然と列をなしている。長方形の隊列を乱すことなく、王妃の言葉を待っていた。
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