595部分:第四十六話 馬岱、乳を羨むのことその九
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第四十六話 馬岱、乳を羨むのことその九
しかもだった。それは全体もであった。
「腰もくびれてるしお尻だって」
「お尻もですか」
「いい形しているわ」
前から見てもおおよそわかることだった。
「美人だしもてるわよ」
「い、いえ私は」
「焔耶ちゃんは?」
「もてるとかそういうことは」
「いいの?」
「はい、興味がありません」
座りながら直立不動になって劉備に話す。
「全くです」
「男の人は?」
「はい、全くです」
そうだというのである。
「ありません」
「ううん、そうなの」
「どう見たってそうですよ」
「一発でわかります」
孔明と鳳統がここでまた話す。
「魏延さんってどう見ても」
「女の子が好きですよね」
「というよりかは桃香さんが」
「好きで仕方ないとしか」
「本人は否定したいみたいだけれど」
神楽がその二人のところに来て言う。
「それはどうかしら」
「否定できません」
「とても」
こう返す二人だった。
「だって。あれでは」
「丸わかりもいいところですから」
「な、何を言ってるんだ」
魏延は彼女達も顔を向けてそれは否定した。
「私はだ。桃香様に対して純粋に」
「愛情を向けている」
「絶対にそうですね」
ミナと月もそうだと言うのであった。
「けれど別にいいわよね」
「はい。女同士も男同士も同じですから」
月はこんなことも言った。そしてであった。皆にこう話すのだった。
「私の時代の日本では男同士でも女同士でも普通でしたから」
「私の時代もよ」
ミナもであった。
「別にそれはね」
「数十年しかかかってないからそれは当然ですね」
「ええ、そうなるわ」
「私の時代もよ」
ここで神楽もであった。
「日本ではそんなこと普通よ」
「何か素晴しい世界ですよね」
「ええ。神楽さんの時代の日本って」
孔明と鳳統はそのことを素直に羨ましいと思っていた。
「私達の世界って男同士はあまりないですから」
「けれどそれが普通だなんて」
「素晴しい世界ですね」
「行ってみたいです」
「来れたら是非ね」
神楽も彼女達のその言葉を受ける。
「色々と案内させてもらうわ」
「はい、それでは」
「縁がありましたら」
軍師二人も笑顔で応える。そうしてだった。
劉備と魏延はお互いの真名を知った。そして互いに呼び合うようになった。
しかし馬岱とはだ。相変わらずであった。
「あのね、あんたね」
「何だ」
道中でまた言い合う。
「何でそんなに胸があるのよ」
「知るものか」
「そんな筈ないでしょ」
こう言い返す馬岱だった。
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