暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第98話 魔人ノス vs 黒髪のカラー ハンティ
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が魔法を放つと、瓦礫は地からを失って床に転がった。

「すぐに解除、っと……っ!」

 瓦礫を目晦ましに使ったのだろう。眼前にはもうノスが迫ってきた。
 そして、その速度のまま振り下ろされたのは手刀。一撃でも喰らえば良くて重症になるであろう一撃だが、ハンティは避ける風もなく印だけを組んだ。

「よ、っと!」
 
 またも、大きく離れた所にハンティの姿があった。
 二度目……。一度目に予想を立て、そして二度見たノス。その力の絡繰りはもう理解出来た様だ。

「………ほう。ふふ、ふはははは! そうか、瞬間移動か! 小娘……、いや 娘よ、貴様……、貴様は…… く、くくくく、ふっはっはっははははは!」
「………?」

 何に気付いたのか、ノスは瞠目したあと、高らかに笑い続けた。

「はっははははは! ただの小娘かとおもいきや、よもや、だ。懐かしき同法と言うべきか。種ではなく、時代に向けてな」

 ノスの話。それだけで、ハンティにも理解できた。

「あんた………… 竜族か。竜族の、魔人か」

 そう、ノスは竜族。
 そこから、その時代の最悪の魔王の血より 魔人へと転生したのだ。

「くくくく。成る程。それゆえに、青髪ではないカラーか。ただの異端にしか思えていなかったのだが、な。長生きはしてみるものだ……。まさかその様な珍奇な者がいたとはな」
「…………」
「(な、なんだ……? なんの、話しを……)」

 パットンは身体は動けないが、辛うじて意識だけは繋ぎとめている。2人の話の内容の殆どが理解する事が出来なかったが。

「奴らには、稀にそうした者がいたそうだな。さて……となると、余興と言うには手間か」

 それは、ハンティの実力を十二分に認めた故の発言だった。戦いを楽しむ節のあるノスだが、今優先される事を考えれば あまり時間を掛けてられないのだ。そう、絶対的な目的。何よりも果たさなければならない目的を前に、自分自身の事など二の次だった。

 薄く笑った後、ノスは視線をハンティからパットンへと変える。

「―――――っ!!」
「貴様から死ぬか、パットン!」

 また、明確な殺意がパットンに向けられた。

「あ……う、ぐ……!!」

 考える事は出来ても、話しを訊く事はできても、あの拳の一撃でいまだ足腰が立たない。 
 そんなパットンにノスが突進する。

「っ! ちょっと、待った……!」

 その眼前にハンティが瞬時に割り込んだ。
 勿論、それもノスは判っていた。いや、それを狙っていたとも言える。そのまま無情に力任せに振り下ろし続けた。

「く、ぁっ……!」
「……くく、そうよな娘。選択肢がない。脳無しの皇子を守らねばならないよな!
「ぐっ……!」

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