第3章 リーザス陥落
第98話 魔人ノス vs 黒髪のカラー ハンティ
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い。既に使い終えた駒だ」
ノスが音も無くパットンに迫る。
だが、最後までやらせる筈もない。
「ちっ……!」
そこに、剣を引き抜いたハンティが割り込んだのだ。
「こ、のっ……!」
先程の光景から判る様に 腕力では絶望的なまでに差があったが、流れるような剣捌きで拳を受け流す。柔を良く剛を制す。それはJAPANに伝わる伝統武芸に通じるものでもあった。
「くく、来たな。さぁお守りの時間の始まりだぞ」
「っ……ライトニングレーザー!!」
「ふわははははは!!」
大型のモンスターでも一撃で仕留める 雷系 上級魔法。それを至近距離から顔面へと直撃するのだが、ノスは全く避ける素振りも見せない。……瞬きさえもしない。そのまま無情にも拳を撃ち放っていた。
「くっ……!」
だが、その拳がハンティに届く事はなかった。タイミング的には相打ち必至だった筈だが、拳は空を切っていたのだ。
「……ぬっ!?」
こればかりはノスにとっても想定外の速度だった。いや、速度……とは表現出来ない。魔人をも感知できない程の速度だからだ。
その隙をついて、魔力で操られたハンティの装備、鉄の腕と自分自身の手を合わせて更に高位の術を紡いだ。
「なら、こっちだ……! 火炎流石弾!」
そして、また有り得ない事が起きた。
間違いなく目の前にいた筈なのに、大きく離れた場所からハンティの詠唱が聞こえたから。
「(速い……? いや違う。今のは……)」
虚を突かれたのは事実。だが、それでも余裕を持って考える事が出来るのは圧倒的な戦力差がある故だった。
ハンティの燃え盛る岩の嵐の魔法。それは最上位の魔法。使い手の魔力に威力は依存するものの、現存する炎の魔法の中において頂点に位置する魔法だった。
「ほう……! 成る程」
その魔法はノスだけでなく、謁見の間の天井部へも到達し、天井を崩した。
その瓦礫は雨霰の様にノスに降り注ぎ、あっという間に瓦礫の山になるが。
「ふんっ!!」
ノスの低く重い声が響いたかと思えば、あっと言う間にその瓦礫は吹き飛ばされてしまった。ただの拳1つで。
「涙ぐましい小細工だな、小娘!」
「ったく、無敵結界とは厄介な……。解除してくれてもいいんだよ、さっきのパットンの時みたくさ!」
「ふん。気に喰わんな。結界がなければ倒せるとでも言うつもりか!」
足元の瓦礫を纏めてけりつけてハンティに飛ばした。
絶対的に力量差があり、遊んでいた、とも言えるノスだったが 力は多少あった所でただの羽虫にしか思ってなかった者からのまさかの攻撃に激昂していた。
「ええい、まったく化けモンだね……? 物品禁止!」
鉄の手が印を組み、ハンティ
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