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レーヴァティン
第十五話 沼の屍竜その四

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「どれも凶悪な強さがあります」
「そうした連中か」
「はい」
 まさにというのだ。
「ドラゴンは、ただ」
「ただ?」
「知性はあるので」
 それは備わっているというのだ。
「相当高度な術を使えるまで」
「だからか」
「自分のテリトリーに入って来た場合のみ攻撃してきます」
「その狂暴な連中もか」
「レッドドラゴンもブラックドラゴンも」
 そうした狂暴とされるドラゴン達もというのだ。
「特にです」
「自分達の縄張りに入らないとか」
「何もしてきません」
「人間餌にしないのか?」 
 智は順一にこのことについて尋ねた。
「ドラゴンは」
「確かに人間なぞ一呑みですが」
「そうだよな、やっぱり」
「ですがドラゴンは人肉は好きではないそうです」
「そうなのか」
「はい、喰らうという話は確かに多いですが」
 実際にそうした話はというのだ。
「しかしです」
「それでもか」
「味が合わずしかも肉が硬く尚且つ骨が多いということで」
 ドラゴン達から見てそうだというのだ。
「しかも脂肪も悪いというので」
「食わないのか」
「そうらしいです、積極的には」
「そうなんだな」
「実際人間は熊や虎にもあまり襲われません」
 順一は智にこのことも話した。
「どうも肉がまずいらしく」
「そういえば思ったより食われないな」
「そうですね」
「こっちの世界でもな」
 人減が獣に喰われることは少ないというのだ。
「どうもな」
「やはりそれはです」
「人間の肉はまずいからか」
「その様です」
「だからドラゴンもか」
「まずい肉の他種族と認識しているとか」
「そうなんだな、しかしな」 
 ここで智は順一にあらためて尋ねた。
「あんたドラゴンのそうしたことも知ってるんだな」
「はい」
 その通りという返事だった。
「ドラゴンと会話した人が書いた書を読みまして」
「そこに書いてあったのか」
「そうした話も」
「ドラゴンにとって人間はまずい肉か」
「他のヒューマノイド系は全てそうだとか」
「エルフとかドワーフもか」
「オークもまずいとか」
 この種族もというのだ。
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