0120話『天津風と島風のかけっこ』
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み合わない会話をし続けていた。
島風が一方的に騒いで天津風がさらに呆れるというある意味悪循環のような感じである。
このままでは埒があかないので、
「島風? いろいろ言いたいことはあるけどまずはちゃんと電話には出ような」
「うー……ごめんなさい。気を付けます」
「よし。それじゃもうこの話は終わりな」
「そうね。……はぁ、なにか余計に疲れたわ」
天津風はそれで無駄に体力を消耗したのか肩を落としている。
島風の相手は疲れるんだろうな。普段からよく一緒にいるのを見かけるし。
「それで提督ー? 私になにかご用でしょうかー?」
「うん。天津風の連装砲くんがなにかして遊びたいらしいらしくなにをするか困っていたんだ。それで島風はなにかいい案はないだろうか?」
そうすると島風は腕を組んで少し悩むそぶりをしたあとに、
「それじゃ連装砲くん、天津風ちゃんと一緒に私とかけっこしよう!」
「やっぱりねぇ……あなたはそうよね。予想通りすぎてなんとも言えないわ」
島風のそんな台詞に天津風はどこか諦めていたような表情をしていた。
「えー ? かけっこ楽しいじゃない! やろうよー!」
そう言って天津風を揺すっている島風。
どこか否定されたと思っているのだろう島風は目尻に涙を溜めていた。
そこまでかけっこしたいか……?
と、そこで以前にかけっこしようという約束をしたのを思い出した。なので、
「島風。それじゃ今から私も混ぜてもらってもいいだろうか?」
「いいの……?」
「あなた、大丈夫? 島風が走り出すとどこまでも走らされるわよ?」
「まぁ、そうだろうけど無下に断るのも悪いだろう? だからこれくらいなら付き合ってもいいと思ってな」
「やったー!」
「ギッギッ!」
「ギギィ!」
島風がそれで喜びを表現するために跳び跳ねていて、連装砲ちゃんと連装砲くんも一緒になって跳び跳ねているではないか。
「連装砲くんまで……もうそれじゃ仕方がないわね。私も付き合ってあげるわよ」
一人仲間はずれも嫌だったようで頬を赤くさせながら天津風も付き合うと言ってくれた。
ふふ、素直じゃないなぁ……。
「………なによ? あなた、なにか変なこと考えていないかしら?」
「そんな事はないぞー? それじゃ仕事を終わらせたあとに走りにでもいくとしようか」
「わーい!」
それで私たちは仕事を終わらせたあと、鎮守府周りを何度も走り込みをしていた。
そしていい感じに時間は経過して息も絶え絶えになりながらも、
「少しは気張らしになったかな……はぁ、はぁ……」
「そ、そうね……余計に暑くもなったけどね」
「提督も天津風ちゃんも情けないよー!」
私と天津風はかなり疲労しているのにまだ島風は元
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