第七話「古森の戦い」
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スの悪口を緘口令の書かれた札の前でのたまったのです。するとたちまちそいつ
は老いて老衰でぱたりと死ぬのです。札の前にはミイラが山積みになってまもなく誰もフォルノウスの
悪口を言えません。
翡翠の国が倒れた今、もはやどんな国もニム・イールには叶いません。
それでも木々たちは抵抗しました。翡翠の国の惨劇をもう世界中の木々が聞き及んだのです。そして
木々たちは、団結してニム・イールには一切の実りも渡さないと抵抗したのです。
これにはフォルノウスも頭を抱えました。
なにせどんな肥沃な土地もなんの作物も実らなくなったのです。おまけに木々は焼いても切り倒して
も憎しみを募らせるばかりで一行に屈服しません。ですがフォルノウスは七百年前、実りを司る魔法使
いでした。もちろん木のことについては熟達していたのです。
フォルノウスは一つの計略でそれを打破してしまいました。それは新しい呪われた品種の作成でし
た。その苗床が大地に根付くとたちまち成長してあたりの比較的意思の弱い木を支配してしまうので
す。そう、まさに木々の皇帝たる木でした。この木によって木はたちまち心変わりをしてニム・イール
の命令しか聞かなくなりました。
そして意志の強い古い木は同志たちの心変わりに心を痛めました。しかしそういう木には寄生植物、
つまり宿り木という木を使って内側から心を壊していきました。
そしてもはやニム・イールに逆らう木々は一本もなくなってしまいました。
そしてそれによってもはや他の国々も反抗の意思をなくしました。なにせニム・イールに敵対するこ
とは作物がとれなくなることと一緒だからです。
どんな強い国も作物がとれなければ餓死していしまいます。
北の国ニム・イールは恐怖の下に天下にその名を轟かせたのです。
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